第92章 *出発プレパレーション（エペルの夢）*

エペル『うっ..はぁ、はぁ..俺..どうして忘れちゃってたんだろ.."今の自分"を認めて、強くなるって..小さくて、丸くて、強そうには見えない。

でも..どんな相手でも一撃で仕留める、美しき女王の毒林檎。そんな毒林檎のような、自分だけの強さを手に入れるって..あの日誓ったのに！』


『良かった..エペル』


ユウ『やっと元に戻ったね』




ヴィル？『なんてこと、エペル..そんな貧弱な姿になってしまって』


ルーク？『ノンッ！輝く7つの丘のごとき隆々とした筋肉はどこへ？』


ヴィル？『ああ、可哀想に。泥のついたジャガイモたちに呪われて、姿が変わってしまったのね。こっちへいらっしゃい。逞しく美しい姿に戻してあげるわ』


ルーク？『さすがはヴィルだ。それがいい！さあ、エペルくん。こちらへおいで』


妖しい笑みで再び夢へと堕とそうと差し出された手を、エペルは眉間にシワを寄せて疎ましそうに見つめた


エペル『...レイラも言ってただろ。俺の知ってるあんたたちは、そんなこと絶対に言わない！』


ヴィル？『なんですって？』


エペル『でかくて逞しい体に憧れてないって言えば、嘘になる。でも、だけど！俺が手に入れたい強さは、逞しさは..美しさは！俺が自分で決めて、自分の力で手に入れる！』


完全に覚醒したエペルは二人に向けてマジカルペンを構え、それに合わせるようにレイラたちもヴィルたちの姿を取る闇へと武器を構えた


エペル『ヴィルサンとルークサンになりすますなんて、許せねえ！ぶっ飛ばしてやる！』


シルバー『セベク、オルト、レイラ！俺たちもエペルに加勢しよう！』


セベク『ああ！いくぞ！』


　



『『『ドリーム・フォームチェンジ！！』』』
















突然始まったヴィルとルークとの戦闘。しかし、相手は二人の姿を象っているだけで、完全覚醒し怒り心頭のエペルを中心にした一同の敵ではなかった


ヴィル？『ああ、エペル！もうやめて頂戴！あたしの美しい顔に傷が..っ！』


ルーク？『ミゼラブル！よすんだ、エペルくん。これ以上の美しくない行いは！』