第92章 *出発プレパレーション(エペルの夢)*
セベク『少々荒っぽすぎる気はするが..実際、自分がそれで目醒めているから否定はできんな』
グリム『よっしゃ。そいじゃ早速エペルのやつを追いかけるんだゾ!』
『ユウ、大丈夫?』
ユウ『うん、大丈夫。でもあの顔見たらまた笑い出すかもしれない..ぶふっ!』
セベク『もう笑ってるぞ』
グリム『エペルー!!』
大股で走っていく背中に呼びかけると、エペルは足を止めこちらへと振り向き、見知った顔にパアッと顔を輝かせた
エペル『おっ、グリム~!ユウ~、レイラ~!おはよう!後ろさいるのはオルトど、ディアソムニアの..見ねったメンツだな。みなしておっかね顔しちゃばってなした?』
セベク『な、何を言っているんだ貴様は!』
訛と方言満載の喋り方に慣れていないセベクの戸惑いに、エペルは喋り方ではなく発言に言われていると思い、その顔をしかめるとズンズンとセベクの前へと立ち塞ぐ
『わわ、エペルほんとにおっきい』
オルト『ジャック・ハウルさんよりも大きいかも。彼の"大柄で逞しくなりたい"という願望が反映された姿なんだろうね』
グリム『おい、エペル!お前は1年生の中でも背がちっせー方で、オレ様とそんなに変わらなかったはずだろ』
エペル『え?わが1年生のながでも背えちっせほうだってな?あはは、なあんぼな。わっきゃ入学してから背うって伸びでよ、今だば1年生でいぢばんでげんだ。うぢの寮長だって追い抜いたはんで』
セベク『そんなはずはない!リリア様の送別会で会ったお前は、今よりずっと小柄だった。お前はリリア様に言っていたではないか。"背は自分と変わらないのに、どの行事でもマレウス様と肩を並べて活躍する姿に憧れていた"と。そしてお言葉を賜っただろう。"魔法士の強さは体格に関係ない"と!』
エペル『リリア先輩の..送別会?』
オルト『エペル・フェルミエさん。いくつか質問をいいかな?僕も背を伸ばしたいなと思ってるんだけど..一体何を食べてどんな運動したらそんなに急に大きくなれたの?』