第92章 *出発プレパレーション(エペルの夢)*
しかし、僅か瞬き一回の内に宝石は元の色に戻り、何の変哲もないペンになっていた
イデア『!!..あれ?』
『お月、さま?』
イデア『えっ?あ、な、なんでもない。とにかく預かったから、ちょっと待ってて』
『ん。あ、でもユウはペン持ってないの。どうしたらいい?』
イデア『じゃあ、ユウ氏はスマホに魔導プログラムを書き込んだチップをセットするか..』
ユウ『お願いしますね。あ、中のフォルダー覗いたら変態陰キャ根暗オタク先輩って呼びますからね』
イデア『言われなくても覗かないよ。どうせヒロイン氏の写真だらけでしょ』
ユウ『否定はしません』
イデア『(見間違い、か..?)』
ペンとスマホを受け取ると、イデアはその場で電子ウィンドゥを広げ、3人のペンとユウのスマホに術式とデータを施していく
1着だけでは応用がきかない等と呟きながら作業を終えると、それぞれの持ち主へとペンとスマホを返した
セベク『..?マジカルペンに何か仕込んだと言っていたが、特に変化はないようだぞ?』
イデア『各々のペンやスマホに向かって、
"ドリームフォーム・チェンジ!!"
..って言ってみて』
セベク『はぁ!?な、なんだその変な呪文は!?』
イデア『装備変更にキメ台詞は鉄板でしょ。これがキッズアニメなら気合の入った変身シーンが入るとこですぞ』
ユウ『それはあれですか?プ◯キュア的な..』
イデア『ま、それは半分冗談として..呪文っていうのは、うっかりで魔法が発動しないわざとらしい言葉の方がいいの。1人で装備変更すらできない若葉マークの君らのために、わざわざ作ってやったんだが。拙者は開発の仕事がつかえてて忙しいんだよ。
ほら、さっさとして!』
急かす言葉に気圧され、一同は妙に気恥ずかしい呪文を覚悟を決めて高らかに叫んだ
ユウ『(ええい、こうなりゃヤケクソじゃい!)
ドリィ~~ムフォ~~ム・チェ~~ンジ!!!』
シルバー『ドリームフォーム・チェンジ!』
セベク『ドリームフォーム・チェンジ!』
『ドリームフォーム・チェンジ..』