第91章 *内密コール*
リリア『"祝福"..あ、ああっ!』
"祝福"
その言葉にザザッとリリアの脳裏にあの日の出来事が蘇る。自分の送別会に現れたマレウスが、オーバーブロットの末、ユニーク魔法で周りを眠りに落としたことを。そして、ここがその夢の中だということ
すべてを思い出したその顔には笑みが浮かび、腹の底から笑いがこみ上げる
歪んでいた空間はいつの間にかその形を取り戻していた
リリア『ふ..くふふっ..ははは!あははは!!
よくぞ言った。それでこそ、わしの弟子じゃ』
シルバー『え?弟子、って..』
リリア『ようやっと頭がはっきりしてきおったわ。全て思い出したぞ、シルバー、セベク。それから..グリムにユウ、レイラ!』
『『リリア様!/親父殿!』』
『リィさん..良かった』
リリア『わしは随分と長い昼寝をしていたようじゃ。やってくれたのう、マレウス!』
マレウス『ちっ..完全に"醒めた"か、リリア!..だが、心配はいらない。またすぐに寝かしつけてやろう』
リリア『は!このわしを寝かしつけると言ったか?生意気に育ったもんじゃのう。やれるものならやってみよ!
皆のもの、わしに続け!
一時退却じゃーーー!!』
ユウ『って、逃げるんかい!!ちょ、待ってください!!行くよ、二人とも』
『ん!』
グリム『お、おう!』
いかにも戦う、という姿勢だったにも関わらず我先にと逃げ出していくリリアを必死に追いかけていく
一人残されたマレウスはぽかんと見つめた後、楽しそうに笑みを浮かべながら、小さくなっていく後ろ姿をゆっくりと追いかけ始めた
マレウス『ふふふ..追いかけっこか?お前とこうして戯れ合うのは、何十年ぶりだろう。時間はいくらでもある。楽しもうじゃないか、リリア!
くくく..あはははは!!!』