第12章 *終曲ハーツラビュル*
グリム『そういえば、結局オマエはどこの寮なんだゾ?』
トレイ『そもそもチェーニャはこの学園の生徒じゃない。ナイトレヴンカレッジの長年のライバル学校、ロイヤルソードアカデミーの生徒だ』
デュース『ええっ!?違う学校の生徒!?』
エース『しかもロイヤルソードアカデミー!?』
『ユウ、知ってる?』
ユウ『分かってて聞いちゃダメだよ』
『ごめん』
ロイヤルソードアカデミーと聞いて、他の寮生が殺気立ったのを敏感に感じ取ったチェーニャは、そそくさと退散しようとした
『ネコさん』
チェーニャ『何かな?可愛いウサギさん』
『また、ね...』
チェーニャ『あはぁ...やっぱり可愛いにゃあ♪』
フニャッと笑いながら周りの景色に溶け込むように消えていくと、チェーニャを追いかけて何人もの寮生が走っていった
『ロイヤルなんとかの人って...嫌われてるの?』
リドル『ロイヤルソードアカデミーね。ナイトレヴンカレッジの生徒は高確率で敵視してるよ』
トレイ『100年も延々と負け続けてればそうもなるというか...』
ケイト『まーまー!お祝いの日にそんな暗い話はナシナシ!今日は"何でもない日"のパーティーを楽しもうよ』
ケイトの一言で、グリムが早速テーブルのご馳走に走っていき、それに合わせて全員"何でもない日"のパーティーを心行くまで楽しんだ
サバナクロー寮・レオナの部屋
ラギー『あーあ、いいなあ。ハーツラビュルの奴ら今日はご馳走食いまくりのパーティーらしいっすよ。サバナクローにもそういう腹が膨れる伝統ないっすかね』
レオナ『ふん...晴れた日の昼間にケーキやらクッキーやら食いながら楽しいパーティーだ?虫酸が走るな。それよりラギー、例の件だが...』
ラギー『任せてください。ちゃーんと準備進んでるっすよ、シシシッ!』
レオナ『あいつらが暢気に茶を飲んでられるのも今の内だ。気取ったマレウスの奴もな、覚悟しておけ...フフ..ハハハ...』
ラギー『そういや本気っすか?あの子をウチに入れるって話』
レオナ『あぁ...極上の獲物はまず、奪われねぇよう手の届く所に置いておかなきゃな?』
欲を孕んだ猛獣の瞳は、昼にも関わらず妖しく獰猛に輝いていた
fin