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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第90章 *難航トランスポート*





シルバー『ヴァンルージュ殿..待ってください!』


その声に足を止めたリリアを何とか引き留めようとシルバーが走り寄り、その自分よりも細身の腕を掴もうと手を伸ばす


しかし、その手はパンッと音を立てて払われ、驚くシルバーのオーロラの瞳に映ったのは、悲しみだけが宿った目で、今までないほど弱々しく言葉を繋いだ父親の横顔だった










リリア『もう..放っておいてくれ』









ぐぷぷぷぷ...






その絶望に惹かれて、突然リリアの足元からおぞましい量の闇が溢れ出し、あっという間に全員の周りを取り囲んでしまった


『!!闇..』


ユウ『なんでこんなところに!?』


バウル『!?なんだ!?この黒く禍々しい気配は!』


シルバー『親父殿の絶望に引き寄せられたか!くそ、囲まれた!』






リリア『..マレノア、レヴァーン..そこにいるのか?』





闇の奥からするはずのない気配に、リリアの足が一際大きな闇へと歩みだしていく


『シルバーさん!リィさんが..!』


シルバー『その先に行ってはだめだ!闇に囚われてしまう!ヴァンルージュ殿!』


リリア『連れて行ってくれ..俺も、そっちに..』


『リィさん!戻って!』


シルバーとレイラの必死な呼び止めに目もくれず、リリアはゆっくりと身を委ねるように闇の中へと引きずり込まれていった







シルバー『親父殿ーーーーっ!!!』










『リィ、さ..』


セベク『リリア様を追いかけるぞ、シルバー!グリム、ユウ、レイラ!』


『..ん!』


グリム『おう!』


ユウ『オッケー!』


シルバー『ああ、行こう!!』


我先にと進み出るセベクの声に全員が頷く。シルバーの時のこともあり、もう闇に飛び込むことには誰も恐怖などなかった


ユウの腕の中で怯えていたレイラも意を決すると、しっかりユウの手を握り、先頭をゆくセベクの後ろを追いかけるように歩き出した


視界と体を暗闇に包まれながら、一同は深く暗い闇の中へと落ちていった





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