第90章 *難航トランスポート*
ぽつりぽつりと溢れるように抱えた思いを紡いでいく。この夢に来てから内で蓄積されていく怒りに、体を支配されたような感覚がすることを打ち明けながら、隣で眠るリリアの髪を優しく梳く
話を聞き終えたシルバーは納得したように頷くと、顔を離しその黒く艶めく髪を撫でる
シルバー『話してくれてありがとう。やはりお前は優しいやつだな』
『優しくない。どんどん自分が自分じゃなくなってく気がして..怖い。また、あの人たちが妖精さんに酷いことしてたら、同じことしそう』
シルバー『..なら、俺たちがお前の抑止力になろう』
『よく..なに?』
ユウ『抑止力ね。簡単に言うと、レイラがもう怖いことしないように、ダメだよって止めること。
あ、ちなみにこれは迷惑でもなんでもないよ。レイラがツラい思いをしないようにって、僕らが思ってることだから』
『ぁぅ...』
シルバー『俺たちがサポートするから、お前もできる範囲で構わないから、自分を抑え込むよう努力してくれ。もし出来そうになかったら俺達を頼って欲しい』
『ん..やって、みる』
シルバー『良い子だ。きっと、ここに来てから戦い続きで状況が状況だ。お前も余裕がなくなってきたんだろう。あまり長くはできないが、少し横になって体を休めるといい』
俺は外を見張っている、とテントの入口に向かい座るシルバーを横目に、言われた通りその場で寝転ぶと、ユウとグリムの手が優しく髪を撫でてくる
ユウ『良い子良い子』
グリム『まったく世話が焼けるんだゾ』
『ごめん..ありがと』