• テキストサイズ

【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第90章 *難航トランスポート*






『ぇ..』


リリア『確かにお前らのいる学校じゃあ、魔法で相手を殺すなんてことは教えられてねぇし咎められるだろうが、今ここは"戦場"。殺し殺されるのが当たり前の場所だ。

あいつらが武器を持って俺を殺しにかかってたんなら、逆の立場になることも然りだってことはあいつらだって分かってるはずだ。それに、そういう覚悟ができてねぇやつは、最初から戦争に参加なんてしてねぇよ』


『リィ、さん』


リリア『だがまあ、お前みたいな女子供に殺しをさせたのは、確かに良くはねぇことだな。お前の手を汚させたのは俺だ...悪かった』


シルバー『ヴァンルージュ殿..』


『ごめんなさい..ごめんなさい』











リリア『..この話はまた後でしとけ。とにかくだ..今は追手がわんさか来てやがる。怪我人を引きずって相手ができる数じゃねぇ。お前らは卵を持って逃げろ。奴らが来たら言ってやる..ドラゴンの卵は、邪魔になって谷底に捨ててやったとな。

しばらくの時間稼ぎにはなるだろ..ゴホゴホッ!』



先程のバウルと同じように、怪我を負い体力も魔力も限界な状態のリリアでは、あっという間に追手にやられるのが目に見えていた


『シルバーさん..』


シルバー『...わかりました』


心配そうに見上げるレイラに小さく微笑むと、リリアの手からそっと卵を受け取り、ユウの腕へと預けた


シルバー『ユウ、マレウス様の卵を持っていてくれるか』


ユウ『了解ですよっと!..おぉ、意外と重い』


グリム『リリアが抱えてた時も思ってたけど、近くで見るとでっけぇ卵なんだゾ』


ユウ『レイラ、暫く手繋げないけどごめんね』


『ううん。今はツノ太郎を守ってあげて。私は..大丈夫』


ユウがしっかりと卵を抱えたのを見届けると、シルバーは次にリリアに手を伸ばすと、ひょいと軽々と持ち上げ、器用に自身の背におぶさるようにした


シルバー『ヴァンルージュ殿、失礼します、よっ..と』


リリア『なっ!?てめぇ、何しやがる!この俺を、赤ん坊みてぇに背負うなんざ..!まさか俺を背負って竜尾岳を登るつもりか!?無茶だ!いいからここに置いて..っ!ゴホッ、ゴホッ!』



/ 1858ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp