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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第90章 *難航トランスポート*






シルバー『親父殿!!』


ユウ『ちょ、これまずくないですか!?』


背後からの攻撃で倒れ込み、その動けない体で卵を必死に守るように抱え威嚇音を放つ姿に、レイラの胸の奥に今までよりも強く濁ったドロっとした感情が這い上がる


『〜〜っ!!リィさんに..』


グリム『ふなっ!レイラの周り、すげぇ魔力が溢れてるんだゾ』


目の前の危機に深紅の瞳が煌々と燃える。膨れ上がる魔力が怒りを表すようにその姿を具現化していく


シルバー『レイラ?』


ユウ『ど、どうしたの..』















『リィさんに..ツノ太郎に..酷いことしないで!!』


シルバー『待て、レイラ!








殺すな!!』 

















ザクザクザクザクッ!!!!











一瞬でリリアの周りにいた鉄の者たちが姿を消した。正確には、足元から伸びてきた黒い棘に突き刺され、そのまま背後の木へと打ち付けられた


甲冑の僅かに空いた首元を正確に狙って突き刺さった棘が貫通して木へと刺さる。宙ぶらりんになった体、そして手からは静かに血が流れ雨と混じり合い落ちていく


一声も発することなく十何人もの兵士が亡き者にされ、運良く離れたところにいた数名の鉄の者たちは一瞬の出来事に呆然と仲間の死体を眺めることしかできなかった


鉄の者『な...え..?』


鉄の者『ヴァンルージュが、やったのか?』


鉄の者『違う..これは、なんなんだ?』





『...っ』


ユウ『..先輩、今は残りの人たちを片付けてきてください。僕はレイラを』


シルバー『..分かった』


残った残党がリリアに武器を向けないとも限らず、シルバーは複雑な感情を抱きながらも、その警棒を強く握りしめて足を踏み出した


『ユウ...』


ユウ『なぁに?』


『わたし..わたし..っ..わるい、こ?』



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