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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第90章 *難航トランスポート*






グリム『リリアのやつ、どっちに行ったんだ!?』


シルバー『黒鱗城のある王都は、茨の国の北だ。とにかく北へ向かおう』


その時、後方から慌ただしい足音と声が近づいてきていることに気づき、全員身を隠すように茂みの中へと隠れた







鉄の者『探せ探せー!!』


鉄の者『ドラゴンの卵を手に入れたものには褒賞が出るぞ!』








シルバー『卵に褒賞、だと?..なんてことを!』


『あの人たち...嫌い。絶対追い払う』


シルバー『親父殿とマレウス様には指1本触れさせない。ここで眠っていてもらおう』


『私がやる』


ユウ『待って。一人じゃ危ないから、先輩やグリムと一緒に、』


『や』


ユウ『レイラ!』


ユウの静止を無視して一人茂みから身を乗り出していく。三人は止めようと身を乗り出すが、ペンを握るその手が怒りに震え、纏う魔力がピンと張り詰めた状態になっていることに気づき、口を閉ざしてしまった


ユウ『レイラ、すごく怒ってる』


シルバー『よほど彼らの行いが頭にきているのだろうな。加勢に入りたいが..』


グリム『や、やめといたほうがいいんだゾ。こういう時のレイラはスゲー怖ぇし、近くにいるだけで全身の毛がゾワゾワしちまう』


目の前で鉄の者たちを次々と吹き飛ばし、恐怖と混乱の声が響き渡る森が静かになるのはそれから一分後のことだった


『(なんでこんなにイライラするんだろ..妖精さんたちが酷い目にあってるから?あの人たちが許せないから?


分かんない..けど、体が重くてイライラしてる)』















『終わった』


シルバー『怪我はしてないか?』


『してない』


ユウ『でも疲れたでしょ?ほら、おいで』


腕を開いて待つユウの胸に静かに潜り込むと、伝わる温もりと優しく撫でられる感覚に目を細める


『...ありがと』


ユウ『良い子..良い子』


シルバー『レイラ』


『ん?』


シルバー『ありがとう。お前がそこまで怒りを募らせるのは、そこまで自分のことのように考えてくれてるお前の優しさの表れなんだな』



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