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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第90章 *難航トランスポート*






だがセベクだけは暫し考えた後、覚悟を決めてこちらへと向き直る


セベク『シルバー、グリム、ユウ、レイラ。お前たちは先に行け』


『『えっ!?』』


セベク『僕はここに残り、バウル様と共に銀の梟どもの足止めをする』


シルバー『なんだって!?いくらお前とバウル殿でも..それに、これ以上親父殿と距離が離れれば何が起きるか、俺にも分からないぞ』


セベク『迷っている暇はない!!

リリア様は大きな卵様を抱え、不自由な状態でいらっしゃる。さっさと行け!そして守れ!お前の大切なものを!

僕は..僕の大切なものを守る!!』



覚悟の輝きで光る瞳が一瞬バウルを捉え、その時シルバーもレイラたちも、彼の意志の強さがひしひしと伝わる


シルバー『セベク..』


セベク『ふん。僕を馬鹿にするなよ、シルバー。早々に敵を片付け、貴様らに追いついてみせる』


シルバー『..分かった。行こう、ユウ、グリム、レイラ!』


ユウ『了解』






『....セベク』


セベク『!..なんだ』


どうしようもないほどの不安と焦燥に駆られながらも、静かに近寄りその体に抱きつく。一瞬驚くも背中に回された腕が震えていることに気づくと、拒否することなく優しく問いかける


『絶対、絶対追いついて。無茶しないで。ワニさんと一緒に、また会おうね』


セベク『..当然だ。必ずお祖父様と共に、お前に追いつく』


小さな背中を片手でトンと叩くと、顔を上げたレイラの頬を指の背で撫でそっと離れた


本当は離れたくないと、無理にでも二人を連れて行きたい気持ちを抑え込み、レイラは先で待つシルバーたちの元へと走っていった


シルバー『行こう』


『ん..』




二人に背を向け森の奥へと駆け出す。背後から聞こえてくる剣戟と入り乱れる声に胸を締め付けられながら、4人はリリアを追って暗闇の中へと消えていった




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