第89章 *暗闇アストレイ*
フワ....
グリム『..ん?おい、シルバー!オメーの服の中、また光ってるんだゾ!』
シルバー『さっき消えたはずなのに、また..?』
胸元にしまっていた指輪を取り出すと、その光は一層強さを増し、あまりの眩しさに全員目を強く閉じた
シルバー『ーーうっ!』
それはシルバーにだけ見えた特別な景色
黄昏色の空に何羽もの赤い鳥が列を成して天へと向かっていく。その列に囲まれるように佇む一人の青年
シルバー『あ、あなたは..!』
穏やかに微笑むその姿は、これからの道行きの背を押す応援か、それともただひたすらに息子への揺るぎない愛の印なのか
夜明けの騎士の姿は光となって消え、鳥たちと共に天へと舞い上がっていった
光が再び視界を覆い尽くし、黄昏色の空は見えなくなっていった
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野ばら城・城下
激しい雷鳴、降り注ぐ雨、暗雲立ち込める野ばら城の城下で、5人はうっすらと目を開けた。だがそれは城の...上空で
『『『...ぁぁぁあああーーー!!!』』』
ドスンッ!!と激しい音を立てて5人は橋の上に落下した。直前に風魔法で衝撃は和らげたものの、打ち付けた体が悲鳴を上げた
『『『うぐっ!/ぐはっ!/ふぎゃっ!』』』
ユウ『レイラ、怪我はない?』
『ん。ユウが抱っこしてくれたから大丈夫。ユウは?』
ユウ『僕も平気。良いクッションがあってよかった』
セベク『は、はやくどけっ..!!』
ユウ『ごめんごめん』
特に悪びれる様子もなく下敷きになったセベクの上から退き、腕に抱えたレイラを優しく地に下ろす