第88章 *緊急リターニング*
リリア『..ああ、くそ。チクショウ、チクショウ、チクショウ!!!』
卵を片手に、もう片方の手で地を叩きながらやり場のない怒りと焦り、不安をぶつけていく。ようやく目が慣れ始めたレイラたちの目にも、彼のそんな姿は心が酷く痛む光景だった
だがすぐに大きく深呼吸をして自らを落ち着かせると、仮面をかぶり卵をしっかり両腕に抱えてゆっくり立ち上がる
リリア『..行くぞ、お前ら。この卵を黒鱗城に届けるために、マレノア様からの勅命..必ず果たしてみせる』
『『『はっ!!』』』
大きく頷き立ち上がったユウたちを連れて、リリアは地下水路の道を歩き始めた
『(...あんなに想ってもらえるお姫様、
いいな.....
こんなときに何考えてるんだろ。ワルイコだ)』
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リリアの先導のもと地下水路を進む一同。すると、天井がぐらりと揺れパラパラと小さな欠片が落ちてくる
ズンッ!!!
ドガンッ!!!
『ひゃっ!!』
シルバー『大丈夫か!?』
セベク『なんだ!?』
リリア『マレノア様が上で派手にやっていやがるんだ。急ぐぞ、崩れたらまずい!』
頭上で繰り広げられているであろうマレノアたちの戦闘の影響で地下水路の天井が崩れかけていることに危惧し足を早めようとしたその時、
ガラガラガラっ!!!
『『うわあっ!?』』
突然目の前の天井が崩れ落ち、飛び散る欠片が砂埃と共に巻き上がる
シルバー『くっ..ユウ、レイラ、無事か?』
ユウ『な、なんとか..』
『だい、じょぶ..』
ギュウっと目の前のシルバーに抱きつき、早まる鼓動のまま顔を上げると、進む先に大きな岩が道を塞ぐように転がっていた
グリム『急に上から岩が降ってきたんだゾ〜..』
セベク『はっ、上を見ろ。地下水路の天井に大きな穴が!』
リリア『くそっ!まずいぞ、水路が塞がれた。ここからは地上に出るしか..はっ!』