第88章 *緊急リターニング*
マレノア『私は"行け"と言った。聞こえなかったか?』
リリア『そ、その命令だけは、絶対にきけない..っ!』
マレノア『この愚か者!!』
リリア『ぐああぁ!』
言うことを聞かせるように何度も雷をリリアの体へ落ちる。腕に抱えた卵を守るため、リリアはその場で蹲り耐えることしかできない
グリム『マレノアのやつ、自分の卵を抱えてるリリアに容赦なく攻撃魔法を当ててるんだゾ!』
セベク『あ、ああっ!若様の卵がっ!』
バウル『マレノア様っ!どうか、どうかお心をお鎮めください!』
ユウ『すぐに止めないと!このままじゃ卵もリリア先輩も..』
『や、やめてお姫様っ!そんなことしたら、リィさんも卵も死んじゃうよっ!!』
誰も制止の言葉も聞き入れず、マレノアは散々雷を浴びせたあと、黄緑の炎でリリアを囲んだ
マレノア『くくく..どうするリリア?ここでその卵ごと命を散らすか!?』
リリア『うぐっ..!』
シルバー『親父殿っ!!』
雷に身悶えるリリアに、見ているだけでは我慢できなくなり、卵を抱えてうずくまる彼の前に躍り出た
マレノア『人間風情が、わたくしの前に立つな!無礼者!!』
シルバー『うわぁぁっ!!』
『シルバーさん!!』
一際強烈な雷が直撃し、シルバーはその場で体に走る痛みに苦渋の表情で膝をついた
リリア『シルバー..馬鹿野郎、なんで出てきた!』
シルバー『も、もう見ていられません。お二人はお互いを想い合っているのに、なぜ争わなくてはならないのですか!?
どうか、どうかおやめください..お願いします!』
セベク『シルバー..』
バウル『人間.....姫様、何卒右大将殿の進言を聞き届けていただきたく存じます』
リリア『頼む、マレノア..決闘など受けるな。この城を捨てて、逃げるんだ。もしレヴァーンもお前も失うことになれば..俺はどうしたらいい』