第11章 *暴走プリーフェクト*
バツが悪そうに視線を反らすリドル。だがレイラはそれほど気にした様子もなく話を進める
『それ、聞きたかった...どうしてそれを』
リドル『幼い頃古い文献を片っ端から覚えさせられていた時、ふとある伝承に目が行ったんだ。
ウサギの一族には何年かに一度、特殊な素質をもった子供が生まれるらしい。特徴としては黒髪に黒耳赤目、というものだ』
トレイ『黒髪に黒耳赤目って...まさか』
トレイは横目でレイラを見つめる。リドルの挙げたその特徴が彼女に全て一致していたからだ
『エースとの話でもしかしたらって思ってたけど...そうなんだ』
リドル『その子供は、生まれつき纏う匂いを心の成長と共に利用出来るようになり、人を魅了し従わせる一種のカリスマを持つ』
トレイ『匂いって...エースがちょっと変だったあの時のやつか?』
『ん...今は薬で匂いを消してるけど』
学園長『もう使っているんですね。私も薬を預けられた時にそこまでの話は聞きました。ですが、何故カリスマを持つ彼女が呪われているのですか?』
リドル『どうやら一族は2つの派閥で分かれているようなんだ。片方は、その特殊な素質の子を一族を統べる神聖な者として崇拝する。そしてもう片方は、世界を滅ぼす呪われた忌み子として嫌悪した』
トレイ『どうしてそんな事を...』
リドル『特殊な子は、確かに人を導くカリスマを持っている。だが同時に、闇の穢れた力も持って生まれると文献にはあった』
『闇の穢れた力...それがさっきの』
リドル『まだ確証はないけどね。その力は、実際過去に一族や周りを崩壊する寸前まで暴走した記録がある。恐らく呪われた忌み子というのはそこから来ているんだろうね。
お母様もその文献を読んで、特殊な子を酷く嫌っていた』
トレイ『それがリドルにも刷り込む形になって、ああ言ったのか』
リドル『我ながら酷い話だ...自分で体験したわけでもないのに信じきっていた』
『ママ達が私の魔法を褒めてくれたのは...崇拝する派だったから...でも、あの人達は』
学園長『あの人達とは?』
『...信じられないかもしれないけど、聞いてくれる?』