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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第88章 *緊急リターニング*





『じゃあ、箒?』


セベク『そうだな。それと食料や衣料品などもあればいいが..』


『ねぇ、ここって住むところでしょ?探したらきっとあるよ』


シルバー『よし今すぐに探しに行こう。ユウ、グリムも手伝ってくれるか?』


ユウ『勿論です』


頷く二人に"ありがとう"と微笑むシルバーに背を向け、セベクはバウルの元へ報告のために向かっていく


セベク『バウル様!我々は物資を調達してきます』








バウル『いや、貴様らは降伏するがいい』







『『えっ!!??』』


バウル『..我々の任務は失敗だ。右大将殿が貴様らに同行を許した時とは、状況が何もかも変わった。

行け。右大将殿が守ってくださったその命、無駄にするな』


セベク『しかし!ここに残ったのはほんの数名の隊員だけではありませんか!』


バウル『ふん。貴様らに心配されるまでもない。第一..人間である貴様らには、銀の梟と戦う理由などないだろう』


『『..あるよ/あります』』



バウル『なに?』


『戦う理由、あるよ。リィさんは..妖精のみんなは人間の私を沢山助けてくれた。優しくしてくれた。受け入れてくれた。
そんなみんなが、自分たちの場所を守るために必死に戦ってるのを見て、少しでも力になりたい。私にできることをして、みんなの優しさへのお礼がしたいの』


シルバー『..俺は、ヴァンルージュ殿が守ってくれなければ、命を落としていたかもしれない。彼は命の恩人です..何としても生きていてほしい。理由など、他に必要ありません』


『人間だからとか妖精だからとか..関係ない』


セベク『バウル様、僕もシルバーと同じ気持ちです』


バウル『我らが砦から出てくるのを虎視眈々と狙う鉄の者どもを突破し、野ばら城まで駆けつけるのは生半可なことではない。貴様らを気にかけている余裕などないぞ』


鋭い視線と声色が突き刺さる。だが、そこにはシルバーたちをこれ以上危険な道のりに付き合わせる訳にはいかないという、彼の隠しきれない優しさ故だった


そんな彼の想いを理解しつつも、シルバーたちの決意は変わらない。理解しているからこそ、最後まで着いていくと覚悟を決めてまっすぐにバウルの目を見つめる




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