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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第88章 *緊急リターニング*






『...っ..(お願い、みんな、みんな無事でいて..怖いことなんて起こらないで)』


ユウ『レイラ..』


隣で目を閉じ手を組み必死に祈りを捧げる姿に、ユウたちは改めてレイラの優しさに温かいものを感じる


『..ぁ、ごめん』


ユウ『何で謝るの。近衛兵さんたちやお姫様が心配でお祈りしてたんでしょ?レイラはやっぱり凄く優しいね』


『さっきからここがドキドキして..やなドキドキなの。だから、すごく怖くて』


服の上から胸の部分をギュッと握りしめる。不規則に揺らぐ瞳が、彼女の不安と恐れをこれ以上ないほど表していた





バウル『くっ..右大将殿が城を離れる機を、虎視眈々と狙っていたか。卑劣な人間どもめ!!』


グリム『うう..ユウ、レイラ、オレ様たちどうしたらいいんだゾ?』


ユウ『ん〜..(何となくハメられてる予感はあった。でもこればっかりは..)』


シルバー『..っ!』


野ばら城の侵攻と、ここまでの道のりが無駄になってしまったことへの一同の動揺する空気に、自身も流されそうになる。そんな自分を覚醒させ奮い立たせるために、シルバーは手のひらを勢いよく頬へと叩きつけた


パンっ!と乾いた音を立て微かな痛みと衝撃に目が冴える感覚に、オーロラの瞳は力強く光を取り戻した


シルバー『..よし!』


グリム『うわっ!なんなんだゾ、シルバー。急に自分のほっぺた引っ叩いて』


シルバー『落ち込み、蹲っていても状況が好転することはない。俺たちに何かできることはないか、考えなくては』


セベク『ああ、そうだな。山での鍛錬では、道が土砂や倒木で塞がっていることがザラだった。思考停止し立ちすくめば、刻一刻と陽は落ちる。場合によっては二次災害に巻き込まれる可能性も高い。引き返すにせよ、迂回するにせよ、決断は早ければ早いほど生存率は上がる』


シルバー『"生きてさえいれば、後でどうにかなる" ..毎日のように聞かされてきた言葉だ』


セベク『ああ。それが僕たちの師匠の教え。リリア様をなるだけ安全かつ迅速に野ばら城までお連れしなければ。城を囲む銀の梟の包囲を突破するのなら、飛行術しかないだろう』



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