第87章 *懐刀インパクト*

近衛兵『ギャギャーッ！！』


リリアの指令に大きく頷き1人走っていった近衛兵を背に、リリアは魔石器を強く握り直した


リリア『今までのよりデケェし蓄積されてる魔力も多そうだな。ここで俺達を潰す気満々ってところだな』


バウル『くっ、忌まわしい鉄の者どもめ！！』


リリア『ったく、めんどくせーもんを作ってくれたもんだぜ。レイラがアイツを抑えてる間に、さっさと片付けるぞ！』


バウル『はっ！！』









シュゥゥゥゥ..



『なんの、音？』


グリム『ふなっ！？あいつ、あのグルグルの腕に魔力が集めてるんだゾ！』


シルバー『まさか..』


魔導アーマーはドリル状の腕に光が集めると、その腕を自身を拘束していくレイラへと向ける


『っ！！』


シルバー『レイラを狙っているのか！..セベク！！』


セベク『分かっている！！』


同時に察した二人は急いでレイラの前に立ちふさがり、防御魔法を展開した



バシュゥゥゥ！！！



『『っ！！！』』


直後、放たれた魔導ビームが防御魔法を直撃し、その反動が腕に物凄い重圧をかけてくる


『シルバーさん！セベク！』


シルバー『っ、俺たちが必ずお前を守る！だから、お前はあれを拘束するのに集中しろ！』


セベク『今度は途中で離したりするなよ！！』


『分かった！』











































リリア『これで終いにしてやる！はぁぁぁっ！！』


振りかぶった魔石器から放たれる赤と黒の斬撃が魔導アーマーに直撃し、ついにその衝撃が重厚な装甲の中心部にまで届いた







プシュゥゥ..ボンッ！！









グリム『ひぃ、はぁ..た、倒したか？』


シルバー『そのようだ..みんな、無事か？』


『はぁ、はぁ..』


ユウ『こっちは何とか無事です』


それぞれ声をかけたり見回しながら安否を確認する。息を乱したりはしているものの、重症者はおらず全員が安堵に包まれた


だが、壊したはずの魔導アーマーが突然息を吹き返し、ギギギとほぼ動かない片腕を無理矢理上げ始めた。そして、最後の力を振り絞るかのように腕の先のドリルに光を収束させ、一番近くにいたシルバーに狙いを定めた