• テキストサイズ

【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第87章 *懐刀インパクト*






リリア『なんだよ今の間は。

さて、話はついたな?だったら出発すんぞ。とっとと準備しろ』



区切りがついたと判断し立ち上がると二人に近づき、急かすようにレイラの頭とバウルの背を軽く叩いた


バウル『はっ!』


『ん』


後ろをついて歩く二人の雰囲気が、幾分か穏やかなものに変わったことを背中で感じながら、リリアは"やれやれ"と安堵のため息を静かについた






ーーーーーーーーーーーーーーーー






出発して2時間、微かに海の匂いと人の声がし始め、次第に景色が開け大きな町が見えてきた


セベク『あそこに見えるのは..港町か?』


バウル『あれは人間どもが築いた町だ..なんと忌々しい!』


本来なら近づくのも死ぬほど嫌だが、砦に行くための道のりとして通る必要があるため、一団は目の前の町に降りることにした





行商人『おや、そこの道行く旦那様がた!珍しい香辛料や香油はいかがです?薔薇の王国からの輸入品でさぁ。お土産にきっと喜ばれますよ!』


大きな荷車に寄りかかり客を呼び込んでいた行商人が、ニコニコと人当たりの良い笑みを浮かべて横を通り過ぎた一団を呼び止める


バウル『む?人間の物売りか?』


振り向いた瞬間、バウルたちの付けている仮面が目に飛び込み、行商人の顔が一気に恐怖で真っ青に変わる





行商人『ひっ!!化け物!化け物だぁ〜〜!!誰かお助けぇ〜〜〜!!』





バウル『なっ!?化け物だと!?』


鉄の者『どうした!何の騒ぎだ!..はっ!?貴様らは、茨の国の!』


行商人の叫びを聞きつけ、町の巡回に当たっていた鉄の者たちが駆けつける。鉄の者たちはバウルたちを見つけるやいなや、武器を構えて戦闘態勢になる



行商人『奴らがわしの売り物を奪おうとしてきたんです!』


『そんなことしてない』


セベク『そうだ!その男は嘘を言っている!僕たちは何も奪おうとなどしていない!』


鉄の者『信じられるか!お前たちがどれだけ我々の採掘したものを横から奪ってきたと思っている!』


/ 2232ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp