第87章 *懐刀インパクト*
2人を手伝おうと立ち上がろうとするレイラだったが、ユウとセベクの息のあった台詞と鬼の形相で止められてしまった
『ぴっ..!ご、ごめんなさい』
シルバー『お前たち....悪い、レイラ。二人ともお前が心配なだけなんだ。俺もいくら傷が塞がったとはいえ無理はして欲しくない』
『シルバーさん..』
シルバー『食材の調達は俺たちに任せて、お前はグリムとここで休んでいてくれ』
『むぅ..分かった』
シルバー『良い子だ。グリム、レイラを頼んでもいいか?』
グリム『仕方ねぇんだゾ。オレ様がこいつを守ってやるから、オメーらはその分ちゃんと魚を捕ってこい!』
シルバー『ふっ、頼もしいな』
ふんと胸を張るグリムに笑みを浮かべると、レイラの頭をひと撫でし、セベクやユウたちと共に魚の調達を始めた
『..グリム』
グリム『ダメだ。大人しくしてるんだゾ』
『むぅ』
グリム『オメーの今の仕事は、オレ様を膝に乗せて撫でることなんだゾ』
早く乗せろと膝をポンポンと叩きながら催促される。彼なりの気遣いに甘えることにし、膝に乗せて優しく毛並みに沿って撫でていく
『グリム、ありがと..大好き』
グリム『もっと感謝してもいいんだゾ』
腕の中で得意げにニィと笑うグリムを抱き枕のようにしていると、足音と共にリリアの魔力がふわりと香る
リリア『隣、座るぞ』
グリム『もう座ってんじゃねぇか』
ジト目で見つめられる中、ドカッとレイラの左横に腰掛けると、徐ろにレイラの左腕にそっと触れた
リリア『痛むか?』
『ううん、痛くないよ。リィさんずっと同じこと聞いてくるね』
リリア『不意に痛みだすこともあんだろうが。
....なあ、バウルを恨んでるか?』