第87章 *懐刀インパクト*
まだまだ言いたいことは残るものの、レイラの回復を優先するために、背中をポンポンと叩いて寝かしつける
『..ユウ、起きたら..キス、して..あと、みんなに、会いたい..』
ユウ『うん。いっぱいしてあげる。先輩たちにも、ちゃんと会えるからね』
『ん..』
撫でられる感触にうっとりしながら、ユウの胸に顔を埋めてもう一度目を閉じた
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リリア『さて、出発するか..って、通夜みてぇだなテメーら』
夜が明けて日が高くなった午後、東の砦へ向けて出発しようと廃村の入り口に集まった一団だったが、昨晩の事件の影響でリリア以外は全員ズゥンと沈んでいた
『ユウ、もう支えなくても歩けるよ?』
ユウ『やだ。暫くは離れてあげない』
『甘えん坊なの?』
ユウ『..そんなとこ』
ピッタリくっついて離れないユウに苦笑いを浮かべつつも、甘えてくれるのが嬉しくスリっと頬ずりした
リリア『レイラ、怪我の状態はどうだ?』
『もう痛くないよ。大丈夫』
リリア『ならもう出発できるな。行くぞテメーら。今日中には砦に辿り着くぞ』
『『『ギィーーッ!!』』』
シルバー『本当に大丈夫か?傷が治ったとはいえ、あの時は流血が酷かった。目眩や気分の悪さはないか?』
『ん、ないよ...二人とも、昨日はごめん。いっぱい迷惑かけちゃった』
シルバー『いや、迷惑だとは思っていない。あの状況になれば俺だって正気を保っていられるか分からない。とにかく、お前が無事で本当に良かった』
セベク『迷惑をかけたと思っているなら、これからはちゃんと身を守る行動をしろ。
..何故すぐに僕たちを呼ばなかったんだ』
心配の中に頼ってもらえなかったことに対して、拗ねたような表情にクスリと笑みをこぼしてそっと手に触れる
『...ごめん。ごめんね
セベク..』