第11章 *暴走プリーフェクト*
レイラの無事を確認した一行は、続いて倒れているリドルの元へと向かった
『トレイさん...その人、大丈夫?』
ユウの肩を借りつつ、ヒョコヒョコと向かってくる姿にトレイは思わず焦りを見せる
トレイ『おい!リドルは大丈夫だから、そんな無理して動くな!お前は怪我人だろ』
『でも一番傷ついてるのはその人だから...』
リドルを抱えて座るトレイの隣に半ば崩れるように座ると、切り傷を作った手で優しくリドルの髪を撫でる
リドル『っ...』
トレイ『リドルっ!!』
リドル『はっ...!』
エース『あ、目ぇ開けた!』
ケイト『ハァ~...レイラちゃんといいリドル君といい、マジもう起きなかったらどうしようって超焦った』
リドル『はぁ...はぁ...ボクは...一体』
学園長『良かった。正気を取り戻していますね』
トレイ『今は何も考えなくて良い。寝てろ』
現状を把握しきれずに目を泳がせるリドルにトレイは優しい声色で頭を撫でる。だがエースはしかめっ面で抗議した
エース『あーっ、そうやって甘やかすからちょっと怒られただけで暴走とかするんすよ。庭はメチャクチャだし、こっちもヤバいとこだったんだからな!レイラなんて特にボロボロ』
グリム『まったく。ストレスを溜めるとろくなことがねぇんだゾ』
リドル『.....ボク...本当は、マロンタルトが食べたかった』
エース『へ?』
リドル『薔薇は白でも良いし、フラミンゴもピンクで良かった。お茶に入れるのは角砂糖より蜂蜜が好きだし、レモンティーよりもミルクティーが好きだ。みんなと食後のお喋りだってしたい』
トレイ『リドル?』
リドル『ずっと、もっとトレイ達と遊びたかった...ぅ、ぅぅ...ううっ...わぁぁぁぁん!』
いきなりのリドルの大泣きにケイトを筆頭に全員驚きを隠せずにいたが、レイラは泣きじゃくるリドルを自身の方へと引き寄せ、その体を強く抱き締めた
リドル『っ...!うっ...キミ、は...』
『ごめん...貴方の過去を知って...私が同じ立場だったらって考えた。きっと貴方と同じ道を辿ってたかもしれない。私も弱いから...だから今までの貴方を否定することはしない、でもこれからの貴方を変えることはできる』