第87章 *懐刀インパクト*
ニヤニヤと意地悪な笑みで挑発すると、ブワッと頬が一気に赤く染めあがった
セベク『う、うるさい!それはそれ、これはこれだ!!でっ..では、僕はもう休む!お前たちも早く寝ろ!おやすみ!!!』
グリム『夜中に..ってもう朝か。とにかく、早ぇ内からでかい声出すんじゃねーんだぞ!おやすみ!』
ズンズンとした足取りでテントへと入っていくセベクを見送り、残った4人は仕方ないなと言わんばかりに小さく息を吐いた
シルバー『..あいつなりの照れ隠しだろう。誤解されやすいが、本当は情に厚い男だ。これからも仲良くしてやってほしい』
グリム『にひひっ、それはあいつの態度次第なんだゾ。ふぁ〜あ..いっぱい歩いて、いっぱい戦って、もうクタクタだぁ〜。オレ様も寝る、おやすみなんだゾ〜』
シルバー『ああ、おやすみ』
大あくびをしながら、グリムはふらふらと別のテントに向かっていった
その背中を見つめながら、シルバーはふと何か考えごとをするように腕を組み目を伏せた
『どうしたの?"シルバーさん"』
シルバー『俺も、セベクの言葉に一瞬だけ心が揺らいでしまった。このまま夢の中にいれば、親父殿もマレウス様も..と』
『..でも、それは』
シルバー『大丈夫だ、分かっている。もし俺が夢に縋り、闇に飲み込まれそうになったら..ユウ、レイラ、どうか俺を止めて欲しい』
『絶対止める』
ユウ『殴ってでも止めますよ』
シルバー『..ありがとう。
..もしかして今、名前で呼んでくれたのか?』
ユウ『リアクション遅くないですか?そうですよ、良かったですね。この子に名前からとったあだ名で呼ばれるのは、信頼されてる証拠ですよ』
『シルバーさん、優しいしあったかい。一緒にいて安心できるの。
…シルバーさん、好き』
シルバー『!!』
ユウ『(ぁーーーーーもーーー)』
レイラが心を許した先の"好き"にまで一気に発展したシルバーを恨めしそうに見つめながら、心の中で行き場のない怒りを募らせた
シルバー『そ、そうか..//ありがとう。お前の好意に報いるよう、全力を尽くそう。これからもよろしく頼む』
『ん』