第87章 *懐刀インパクト*
『オーロラ、さん..?』
シルバー『この気持ちは紛れもない、"俺の意志"だ。これからは、それに従ってお前を守ると決めた。
だからどうか..俺に、お前を守らせてほしい。この夢から醒めても、ずっと..』
横顔を照らす朝日が銀の瞳に映り込み、奥からキラキラと光りながらその美しさを更に輝かせる。真っ直ぐ向けられる真剣な眼差しにドクンと胸の奥が高鳴り、全身に熱が回り始めた
『ぇ、ぁ..』
シルバー『(まだ涙が出ている)』
『んぅっ..』
レイラの目尻に残った僅かな涙に気づいたシルバーは、その美しく端正な顔を近づける。そして優しく目尻に口づけ、静かに雫を掬いとった
突然の柔らかい感触と温もりに、驚くと同時に安心感が込み上げる
シルバー『しょっぱいな..ん?どうした?』
『ぁ、ぁぅ...//』
思いもよらない行動にすっかり涙が引っ込み、ポンっと火を吹いたように顔を真っ赤に染め、恥ずかしそうに下を俯いた
シルバー『顔が赤い。熱でも出たのか?』
『だい、じょぶ..//』
ユウ『あ"ぁぁぁぁぁ!!!!先輩何やってんですか!?それは僕の役目でしょうが!!』
セベク『はぁ、はぁ、やっと、止まった..』
シルバー『何はともあれ、お前たちの溝が無くなりつつあるのはとても嬉しいことだな』
セベク『無くなったわけではない。見方を改め、接し方を模索しようと言うだけの話だ。今のところレイラへの印象は殆ど変わっていない』
シルバー『だが心なしか、レイラを見る目が優しくなったぞ?』
セベク『〜〜っ、そ、そんなことは!!ぁ..ごほん!そんなことはない。貴様の気のせいだ』
ユウ『(とか言いつつ、声のトーン落としたよなぁ..)』
グリム『ま、オメーが大人しくなってくれたら、オレ様たちも過ごしやすくて良いんだゾ。
だいぶ明るくなっちまった。オレ様、もう疲れちまったんだゾ』
セベク『ふん!この程度で根をあげるとは鍛錬不足だな。僕は全くもって疲れてなどいないぞ』
グリム『なんだよ、レイラにビビりまくって、キレたユウに追いかけ回されてゼェゼェ言ってたくせによぉ。強がり言ってんじゃねーんだゾ。さっきまでの素直さはどこにいっちまったんだ?』