第11章 *暴走プリーフェクト*
〔No side〕
エース『レイラっ!』
一方その頃、エース達はリドルの手からどうやってレイラを取り返すかを必死に考えていた
ユウ『レイラっ!!ねぇ、僕たちの声が聞こえる!?...ダメだ...全然動かない』
化身の手の中にいるレイラは顔を俯かせたまま、ユウの声にピクリとも反応しない
グリム『まさかアイツ...死んじまった』
エース『んなわけねーだろ!!馬鹿な事言うんじゃねぇ!』
リドル『ハハハっ!!!!所詮はただの弱いウサギ...ボクに敵うわけないだろ!!』
『[じゃあその弱いウサギに...狩られてみる?]』
リドル『ハァ?っ...!!なっ!!』
突然、レイラを掴んでいた化身の手が強力な力に押し返されるように開き始め、解放されたレイラの体はリドル同様浮いていた
やがて俯いた顔を上げると、その瞳には光は無く両手はダラリと垂れ下がり、まるで操り人形の様に生気を感じなかった
『[その力はお前に相応しくない...]』
リドル『何を言っている!!がっ...!』
化身が薔薇の木を振り下ろすが、突如として彼女の僅かな影から勢いよく黒い物体が飛び出し、それは一瞬にしてウサギの形を形成した
振り下ろしてきた木を受け止めバキッとへし折り、そのまま化身ごとリドルを地面に叩きつけるように押さえつけた
それは明らかにウサギだった。真っ黒な影のように実体感はないが、頭の先に飛び出した2つの耳。そして黒い体に唯一光る赤い瞳は正に黒ウサギ
だが、その影は異様なまでに腕が長く、爪の部分も長い。そして何より首と思われる部分をグギグギとありもしない方向へとまるでロボットのように曲げる様は、奇妙で酷く恐ろしかった
デュース『な...なんだ、あれは...』
グリム『レイラの影から出てきたんだゾ!?』
ユウ『レイラの魔法?でも、なにか違う気がする....』
リドル『くそっ!!離せっ!!呪われた黒ウサギ!!』
リドルは精一杯もがくが、ウサギの影はびくともしない