第87章 *懐刀インパクト*
ユウ『で、無事帰って来れたは良いけど..』
グリム『ふ、ふなぁ〜〜っ!!』
『闇..』
ズズズズズ..
森を抜けて野営地に戻ってきた3人の目に飛び込んできたのは、飲み込まれれば深い夢に落とされてしまう"闇"が、セベクとシルバーの足元を包んで広がっていた
ユウ『な、なんでこんなことになってるんですか!?』
シルバー『ユウ、グリム、レイラ!良かった、戻ってこれたのか。詳しくは後で話す!とにかく今はこれを払う!セベク、武器を取れ!闇に取り込まれるな!』
セベク『このまま夢の中にいれば..若様は..!』
『っ、だめっ!!』
シルバーの声に反応することなく、切なげに伏せられたアンティークゴールドから光が失われていく
そんなセベクの体を、膨れ上がった闇が覆いかぶさるように包み、暗く冷たい奥底へと引きずり込んでしまった
シルバー『セベク!!』
グリム『あいつ、闇に取り込まれちまった!』
シルバー『今ならまだ引き戻せる!ユウ、グリム、レイラ、力を貸してくれ!』
グリム『ったく、世話がかかるやつなんだゾ〜!』
ユウ『ああもう!全然落ち着かないなぁ!分かりました、やりますよ!』
『...っ、返して、雷さんを返してっ!』
いち早く動いたレイラが炎の魔法を放ち、セベクを取り込んだ所以外を焼き始めた
シルバー『レイラ..』
『..このままじゃ雷さんが戻ってこれなくなるでしょ。そんなの..許さないから』
シルバー『ああ、そうだな。一緒にあいつを取り戻そう』
しかし何度退けても闇は湧き続け、次第にその侵食の勢いを増して足元まで広がってきてた
止まらない勢いに、もはやセベクを救出する前に自分たちすらも飲み込まれそうになる
シルバー『はぁ、はぁ..次から次へと湧いてくる!このままでは..』
ポワっ...
その時、突然柔らかい光がシルバーの胸元から溢れ、段々とその強さを増して光り始めた
グリム『シルバー!お前の服の中、なんか光ってるんだぞ!?』
シルバー『この光は..親父殿にもらった指輪?』