第87章 *懐刀インパクト*
シルバー『ユウの言う通りだ。体を休めて明日に備えよう。おやすみ』
ユウ『はい、おやすみなさい』
『おやすみ、オーロラさん』
グリム『はぁ。本当に、とんでもないことになっちまったな』
ユウ『ホントにね』
『ん』
グリム『エースやデュースたちは、今頃どんな夢見てるんだろうなぁ..』
段々と重くなる瞼に逆らうことなく、夜通しの疲れもあったのかグリムはそのまま丸くなって眠りについてしまった
『寝ちゃった』
ユウ『疲れたもんね。さあ、僕らもテントの中で休もうか』
『ん..ふぁ〜あ..グリム、私が運ぶ』
ユウ『ありがとう』
小さく欠伸をしたレイラにクスッと笑いながらその手を取り、魔法で浮き上がったグリムと共にユウはテントの中へと入っていった
幸い小さなテントが空いていたため、3人はそこに潜り込み横になった。ちょうど二人分といったサイズはグリムを入れると少し狭く感じるも、いつも通り抱きしめあって眠る二人には問題なかった
『んむ..』
ユウ『お疲れ様。耳、よく休めてね..おやすみ』
いい子いい子と耳の付け根と頭を撫でながら、既に眠るレイラの唇にそっとキスを落とすと、自分もゆるゆると眠りに身を委ねていった
ユウ『(夢の世界で寝るってのも、変な話だけどね..)』
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日が昇り数時間。まだ午前中のため火の番以外は起きている者はほとんどおらず、森は静かな風と早起きの鳥の声が響いていた
『む..朝..眠い』
夜通しとはいえ、普段通りに起きてしまった体を起こして、レイラはウトウトする頭でなんとか起き上がる
『静かなとこ..川..』
ちらりと隣を見ると、大の字で寝転がり大いびきをかくグリムと、静かに丸まったユウが互いに気持ちよさそうに眠っていた
さすがに起こせないなと思い、1人テントから抜け出すと、すぐそこに流れる大きな川へと近づいた
『んん〜っ..空気、美味しい』
背伸びをして胸いっぱいに空気を吸い、近くの大きな岩の上に腰掛ける