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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第87章 *懐刀インパクト*





『ねえねえ』


突然クイクイと袖を引くレイラにシルバーは首を傾げて、目線を合わせるように少しだけ腰を屈めた


シルバー『どうした?』


『オーロラさんは、リィさんのこと"親父殿"ってたまに言うけど、リィさんはオーロラさんと親子なの?』


グリム『え?』


シルバー『..入学する時にリリア先輩から"他の生徒の混乱を招くから内密に"と言われていたが..お前たちになら、明かしてもいいだろう。リリア先輩..親父殿は、孤児だった俺を拾って育ててくれた。

あの方は、俺の父親なんだ』







『ん、やっぱり』


ユウ『うわあ..マジですか?(予想外の関係すぎる)』


グリム『へ?チチオヤって..父親ぁ!?』


シルバー『混乱させてすまない。学園内では気をつけてリリア先輩と呼ぶようにしていたんだが..実家にいた頃の癖でついに親父殿と呼んでしまう』


セベク『人間には馴染みがないだろうが、茨の谷では年若い見た目をした者が年長なことは珍しくないからな。僕の母も妖精で、父より若く見えるが父よりも年上だ』


グリム『ふな..でも、確かに400年前のリリアと今のリリア、見た目は全然変わってねーよな』


シルバー『ああ、でも..見た目は同じだが、俺の知っている親父殿とかなり違う。俺は本当に..何も知らなかったんだな』




その時、後ろからザクザクと足音が聞こえ振り返ると、近衛兵の1人が少し怒ったような声で話し始めた


近衛兵『ガウガウッ!シャーッ!』


セベク『はっ!騒がしくして申し訳ありませんっ!もう寝ます』


焚き火の前で長々と話していたために、その声が気になった近衛兵が注意をしに来たのだった


セベク『貴様らが騒ぐから、近衛兵の先輩に怒られてしまったではないか!僕たちは一刻も早く東の砦にたどり着き、野ばら城でマレウス様の玉のようなお姿を拝むという目的があるんだからな!』


『..ほんと、うるさい』


セベク『貴様っ、今なんと言った!?』


ユウ『はいはい、2人とも。とりあえず今日はもう寝ようね。明日もきっと長く歩くだろうから』


険悪ムードに割って入りなんとか宥めると、セベクは"ふんっ!"といって一足先にテントの方へと歩いていった



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