第87章 *懐刀インパクト*
互いに決め言葉のようなものを交わし合うと、リリアはまた大きな欠伸を1つして、大きなテントの中へと入っていった
『リィさん、凄く眠たそう』
ユウ『そりゃ一晩中歩いて戦ってってしてたからね。正午には出発ってことは、これからこんな夜型生活をしなきゃいけないってことだね』
『んむ..』
ユウ『レイラも眠い?いっぱい頑張ったもんね』
バウル『おい、人間ども。右大将殿はああ仰ったが..私は貴様らを全く信用してはいないからな。妙な動きを見せたら即刻この魔石器で成敗してやる!!よく覚えておけ!』
ブンっと手にもつリリアとはまた違った魔石器が、登り始めた陽の光に照らされ鋭く光る
バウル『天幕は空いているものを探して勝手に使え。他の隊員の休息を邪魔するんじゃないぞ』
吐き捨てるように言い残し、バウルはリリアとは別のテントの中へと入っていき、それに続いて他の近衛兵たちもぞろぞろと空いているテントへと向かっていった
『ん"〜〜〜..』
グリム『レイラ、大丈夫か?まったく、セベクといいバウルといい、うるせーのが2人になっちまって耳が痛てぇんだゾ..』
ユウ『はぁ..レイラの耳がおかしくならないか心配だ』
『後で、後で静かなとこに行きたい』
グリム『そういや、ここの近くに川が流れたんだゾ』
ユウ『水の流れてる音とかを聞いて、耳を休めるのもいいかもね。後で行こっか』
『ん』
シルバー『聞いたか、セベク』
セベク『聞いたとも!わ、若様がすでにお生まれになっているとは!あぁっ..ひと目でいいから拝見したい!若様の玉のようなお姿をっ!』
グリム『玉のような姿っていうか、卵の姿なんだゾ』
呆れるグリムの横で暫し考えていたシルバーは、今までの会話で何かがおかしいことに気づいた
シルバー『...』
『オーロラさん、どしたの?』
シルバー『..おかしい。先ほど親父殿は、"物心ついてから300年"と言っていた。そして現実の親父殿は700歳..つまり親父殿は、400年ほど前の夢を見ているようだ。しかし.."お世継ぎの卵はあと2.3年で孵る"と言っていた』
セベク『はっ..そうか!確かにおかしいな。現実の若様のご年齢と、かなりの食い違いがあるぞ』
『ツノ太郎って今いくつなの?』