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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第87章 *懐刀インパクト*





リリア『(あいつ..会った時から何回も、でけぇ声に耳塞いでんな。兎の獣人だからってのもあるだろうが..もっと違う理由がある気がする。

って、俺は何をそんなに気にしてんだ)』


自分でも知らないうちに燻った初めての感情の火種に戸惑いながらも、それを振り払うように再びリゾットに口をつけた



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リリア『バウル。お前結局3回もリゾットとやらをおかわりしてたな。そんなに美味かったか?くふふ..』


バウル『..よ、よく考えれば、食べ物に罪はありませんので』


セベク『お口に合って良かったです!』


バウル『ごほん!そ、それにしても、です』


リリア『"銀の梟"の連中が、随分と頻繁に風鳴き渓谷からこちら側へやってくるようになったな』


バウル『我が物顔で茨の国の土地を荒らしおって..卑しい盗掘者どもめ!』


リリア『100年ほど前、来光岬にたどり着いたのは小さな帆船一隻..だが、奴らは瞬きの間に数を増やし、この国に住む妖精を上回った。今じゃ風鳴き渓谷から東は、すっかり奴らの住処だ』


バウル『ぐぬぬ..人間め〜〜〜!!こんなことなら、最初に追い出しておけば!!』


リリア『女王陛下も、当時はこれほど手を焼くことになると思っていなかったんだろうよ』


『『....』』


リリア『自然や動物たちを敬い、慎ましく暮らすってんなら捨て置くところだが..これ以上あちこちの山や森を掘り返されちゃたまらねぇ。

急いでマレノア様の書状を東の砦まで届けねぇとな』


『マレノア、様?』


グリム『誰なんだゾ、それ』


セベク『貴様ら、マレノア様をご存じないのか?かのお方は若様の..』


と言いかけてセベクはハッとなって一度口を閉じた。それはそのマレノアが今はまだいないマレウスの実の母親であったからだ


セベク『..マレノア様は、この茨の国の姫君であらせられる』


リリア『小僧の言う通りだ。現女王マレフィシア様の一人娘であり、俺たちの主であり、"野ばら城"の城主でもある』



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