第4章 *覚醒ストレンジャー*
グリム『んなわけがあるか!単純な話なんだゾ!オレ様が大魔法士になるべくして、生を受けた天才だからなんだゾ!いつか黒い馬車が迎えに来るのを、オレ様はずっとずっと待ってた。なのに..なのに..』
泣きそうなグリムを見て、レイラは頭をそっと撫でてやった
グリム『ったく闇の鏡も見る目がねーんだゾ。だからオレ様のほうからきてやったってわけだ。オレ様を入学させないなんてこの世界の損失だってのに、ニンゲンどもはわかってねーんだゾ。
にゃ”ッ!つめてっ!天井から雨漏りしてやがるんだゾ!ふぎゃっ!また水が降ってきた!オレ様のチャームポイントの耳の炎が消えちまう~!』
『雨漏りしてるのかも』
ユウ『バケツどこかになかったかな?』
グリム『こんな雨漏り、魔法でパパーっと直しちまえばいいんだゾ..って、オマエ魔法使えねえのか、ププーッ!使えねえヤツだゾ!』
ユウを小馬鹿にケラケラ笑うグリムに、ユウが『じゃあ手伝ってよ~』と言うと、ツナ缶もないのにと断るグリムの体が突然フワッと浮いた
レイラが抱き上げたのだ。しかし彼女の表情は少し怒っている
グリム『な、なんなんだゾ?』
『ユウをバカにしないで。悪い子はほっぺたムニムニの刑』
そう言うと両手でグリムの頬を掴むと、左右に引っ張りだした
グリム『いででででで!ふぁ、ふぁにすんら、ふぁなへ~!(な、なにすんだ、離せ~!)』
『ちゃんとユウにごめんなさいできるなら離す』
ユウ『レイラ、いいよ離してあげて。気にしてないから。あ、廊下にないか見てくるね』
『あ、待ってユウ。一人じゃ危ないよ私も行く』
廊下へと出ようとするユウの後を追いかけるように、レイラはグリムから手を離し走っていった
~オンボロ寮・廊下~
『ごめんね私がもっと魔法上手だったら』
ユウ『全然良いのに..』
夜も更け、明かりの少ない廊下を二人は、手を繋ぎながら探索していた
ユウ『にしても、なんか出そうな雰囲気だね』
『ん....』
?『ひひひひ..イッヒヒヒ..』
?『久しぶりのお客様だあ~..』
?『腕がなるぜぇ~』
『『!!!!!!』』
?『イーヒッヒッヒッ!』
ユウ『出たーーーーーー!!!!』