第87章 *懐刀インパクト*
鉄の者『!?て、敵襲!敵襲ーーーっ!!』
鉄の者『採掘品を狙う賊だ!警備隊、総員戦闘配備!』
バウル『賊だと!?我らは茨の国を守護する誇り高き王宮近衛兵なり!貴様らの狼藉、許してはおけん。1人残らず、この森から立ち去るがいい!!』
突然の奇襲に銀の梟は慌てふためきながら応戦しようとするが、瞬く間に近衛兵たちの猛攻が野営地を制圧していく
近衛兵『ギャギャっ...!』
『!危ないっ..!』
鉄の者『な、なんだ!やめろ、やめ、うわぁぁぁあ!!』
鉄の者との武器のぶつかり合いに押され、力負けしそうになっていた近衛兵の元に闇の手が伸び、鉄の者の腕や足を掴み上げると、勢いよく後方へと投げ飛ばした
近衛兵『ギャッ、ギャルル!』
『ん〜..分かんないけど、無事なら良かった』
ユウ『レイラ、前に出過ぎちゃだめだよ!こっちに戻っておいで』
『ん!』
少し離れた安全な場所で待っていたユウに手招きされ、ペンを仕舞って周りから誰にも狙われていないのを確認しながら走り戻っていった
ユウ『お帰り、怪我してない?』
『大丈夫。ねぇ、私いっぱい頑張ったよ』
ユウ『うん、ちゃんと見てたよ。下手したら近衛兵さんたちよりも多く倒したんじゃない?』
『これが終わったらいっぱい褒めて』
ユウ『勿論』
リリア『ははは!どいつもこいつもグズだな!鉄の鎧が重くてろくに動けねえか?』
鉄の者『小さな体躯に巨大な魔石器..まさか、あれが竜の懐刀・ヴァンルージュか!?
鉄の者『隊長、このままでは総崩れです!』
鉄の者『くっ!"夜明けの騎士"無しに、奴とやり合うなら無理だ!"銀の梟"第35班、総員撤退!撤退〜〜っ!』
隊長と思われる人物の掛け声で、銀の梟はバタバタと蜘蛛の子を散らすように森の奥へと逃げていった
バウル『ガハハハ!腰抜けどもめ!東の砦に逃げ帰り、お前たちの主へ伝えるがいい。茨の国に我ら王宮近衛隊がいる限り、貴様らの好きにはさせんとな!!』
持ち主を失った野営地に近衛兵隊の勝鬨の声が高らかに響き渡った