第87章 *懐刀インパクト*
シルバー『ふぅ..なんとか森から"銀の梟"を追い出すことができたようだな。ユウ、グリム、レイラ、怪我はないか?』
ユウ『はい。僕は隠れて見てるだけだったので』
グリム『ちぇっ。オレ様の魔法を披露する前に、リリアがみーんなやっつけちまったんだゾ。つーかレイラ、オメーもオレ様を差し置いて活躍し過ぎなんだゾ!』
『ぁぅ..ごめん』
セベク『当然だ。リリア様とおじぃ..バウル様がいらっしゃれば、貴様のような凡骨が出る幕などあるはずない』
グリム『なにおぅ!オメーだって見てるだけでほとんど何もしてなかったじゃねーか!』
セベク『なっ..ぼ、僕は近衛隊の皆様の邪魔にならないよう機を伺っていただけだ。決して何もしていなかったわけではない!』
『結局何もしてないよね..』
セベク『き、貴様ぁ!!勝手に戦線に入って行ったくせに、自分が功績を上げたように言うな!!』
『(うるさい..)』
再び険悪になる2人を他所に、残された荷車から魔法石とミスティウムを大量に発見し憤りを見せるバウルの横で、リリアは銀の梟たちが残していった食料に目を輝かせた
リリア『麦に、肉に..はは!まるまる肥え太ったヒスイネズミやハガネトカゲもいるぜ。
ちょうどいい。丸焼きにして食うか』
『『『!!??』』』
ネズミの入った籠をユラユラさせながら舌なめずりするリリアのとんでも発言に、レイラたちは声も出ないほど絶句した
『ネズミさん..食べ、たくない』
グリム『ふなーっ!ネズミやトカゲなんか食いたくねーんだゾ!』
リリア『火が通ってて腹が膨れりゃ、何の肉でも構わねえだろうが』
シルバー『ヴァンルージュ殿、調理であれば我々が!』
セベク『ナ、ナイトレイブンカレッジでは、料理も習いますので!!』
『『どうか我らにお任せください!!』』
リリアの料理の腕を身をもって知っている2人は、何とかその腕を振るわせないため、何よりネズミやトカゲを食べないために、物凄く必死な形相で調理役を買って出た
リリア『お、おぉ。そこまで言うなら、今日の飯はお前らに任せる。俺たちの舌はお前らと違って 繊細なんだ。変な混ぜ物をすりゃ、すぐに分かるからな』