第87章 *懐刀インパクト*
ユウ『花で出来た、ブレスレット?』
ピクシーたちが魔法の粉をレイラの腕に振りかけると、まるでミサンガのように茎が編み込まれ小さな花が1輪咲いたブレスレットが現れた
『可愛い..これ、くれるの?』
リンリン♪
『嬉しい。ありがとう、妖精さんたち』
ユウ『似合ってるよ』
『えへへ』
リリア『それもピクシーたちの祝福だ。それなりの加護がついてる。運がいいな、お前は』
バウル『なっ..(あのピクシーたちから2度も祝福を授かっただと!?)』
『可愛くて綺麗..これで妖精さんからもらったのは2つ目だ』
ユウ『あっ、そっか。レイラは前に鉱石の妖精さんたちからも貰ってたよね』
『ん。今もちゃんとつけてるよ』
首に通して服の内側に隠したネックレスを取り出すと、月明かりに反射してキラリと輝くガーネットが顔を出した
リリア『!!へぇ、鉱石の妖精だって?お前、それをどこで手に入れた?』
ネックレスを見た瞬間、リリアの目が興味津々に輝く。大股で近寄ると仮面を外し、グっと顔を近づけてその宝石をじっくりと見つめる
『えと、お家の近くの山に鉱石の妖精さんがいて、この前帰ったときに貰って...えと、』
リリア『なんだよ』
『リィさん..あの、顔、近い..』
リリア『..これは失礼』
オロオロとする姿に一瞬黙るも、すぐにニヤッと笑いながら数歩後ろに下がった
リリア『気難しいで有名な鉱石の妖精が祝福を渡すなんざ、流石は黒兎サマってところだな。その祝福もそれなりに強力だ。大事に持ってろよ』
『ん』
シャラシャラリンリン♪
『ん、またね』
リリア『よし、先を急ぐぞ』
くるりと背を向けると、ピクシーたちからの情報にあった銀の梟たちのいる場所を目指して、再び一同は歩みを進めた
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茨の国・野営地
暫く歩くと、森の開けた場所に炎の明かりが見え始め、近寄ってみると大きな焚き火が煌々と燃え、大きなテントがいくつも並んでいた
リリア『見ろ、"銀の梟"の野営地だ。人間の匂いがする..ざっと30人ってところか。警備隊の中に"夜明けの騎士"の姿はなさそうだ..なら楽勝だな』