第87章 *懐刀インパクト*
バウル『なっ..そんな!?右大将殿!』
リリア『さあ、夜が明ける前に"銀の梟"どもの根城を見つけて追っ払うぞ』
フードを被り直し足元に転がった仮面を取り付けると、先陣を切って歩き出した
リリア『魔の山の麓へ向けて出発だ!グズグズするな!』
シルバー『セベク、あのバウルと呼ばれた戦士は、やはりお前の..』
セベク『ああ。僕が知る姿よりかなりお若く見えるが..間違いない。あの人..いやあのお方は僕の祖父、バウル・ジグボルトだ!
夢の中とはいえ現役時代のお祖父様にお目にかかれる日が来るとは..!』
バウル『おい、何をモタモタしている人間ども!手助けは一切してやらんからな。せいぜい遅れないようついてこい!ふん!』
歓喜に震えるセベクたちにバウルの怒声が飛び、慌てて一同は隊列の最後尾へと追いかけるように駆け出した
ユウ『いやまぁ、ほんとそっくりだわ。顔どころか人間を見下す口調とか声のデカさとか。はぁ..レイラ、お耳大丈夫?』
『ん"〜..あの人も雷さんもうるさい。耳痛い..』
両手で耳を覆うようにしながら顔をしかめると、優しく労るように頭を撫でられる。ユウはこれからこんな調子で無事に現実に戻れるのかと不安が募っていた
シルバー『ふぅ..親父殿の夢に渡れたのはいいが、すぐにマレウス様のことを尋ねられる空気ではないな。どうやら親父殿は、かなり昔の夢を見ているようだ』
セベク『リリア様は送別会で、ナイトレイブンカレッジから入学許可証が届いたのは500年ほど前だと仰っていた』
シルバー『..となると、まだマレウス様はお生まれになっていない時代の可能性もあるな』
セベク『ああ、若様!今頃どうなさっているのだろう。主に刃を向けるなど、僕はなんということをっ..!もしこのことをお祖父様が知れば、なんと仰るか..きっとお怒りになるに違いない。はぁ..』
シルバー『落ち込んでいる暇も、迷っている暇もない。とにかく親父殿たちの側で、手がかりを探ろう』
グリム『なんか、とんでもねぇことになってきちまったな。ユウ、レイラ、オレ様たちの後ろをはぐれずついてくるんだゾ!』
ユウ『うん、頼りにしてるよ親分』
『ん..』