第10章 *決起ルーキーズ!*
次の瞬間には、バラの迷宮の華々しい姿は一変。空は雲に覆われ辺りは荒廃し、瓦礫や植えてあったバラの木が何本も宙に持ち上げられていく
『バラの木が...あんな簡単に』
デュース『なんて大がかりな魔法なんだ!まさかアレ全部で突っ込んでくる気か!?』
リドル『薔薇の木よ、あいつの身体をバラバラにしてしまえーーーー!!!』
薔薇の木はリドルの言葉に合わせ、エースの方角を狙って発射された
『エースッ!!!』
エース『ッ...!!』
だが襲い来る痛みはいつまでたってもなく、エースが目を開けると薔薇の木は全てトランプへと変えられていた
エース『...あ、れ?生きてる?なんだこれ、トランプ?』
『もしかして...落書き?...トレイさん』
トレイ『リドル、もうやめろ!』
ケイト『トレイの"ドゥードゥル・スート"!?えっ...どういうこと?』
グリム『魔法封じの首輪が外れたんだゾ!』
『ホントだ...ない』
各々自身の首に手を当ててみると、確かに先程まではめられていた首輪が跡形もなく消えていた
トレイ『言っただろ。俺の"ドゥードゥル・スート"は少しの間ならどんな要素も上書きすることができる。だから...リドルの魔法を、俺の魔法で上書きした』
いつもの穏やかな笑みではなく、帽子をグッと押さえながら真剣な眼差しでリドルを見つめる
リドルは何度もユニーク魔法を発動しようとするが、トレイの上書きによってトランプしか出なくなっていた
トレイ『リドル、もうやめろ。これ以上はお前が孤立していくだけだ!みんなの顔を見てみろ!』
リドルの周りでは、エースに対して薔薇の木をぶつけようとした事に"やりすぎだ""化け物だ"と恐怖と否定の言葉が飛び交っていた
リドル『は...?トレイに魔法を上書きされた?ボクの魔法よりキミの魔法の方が優れてるってこと?』
トレイ『そんなことあるわけないだろ。リドル、一旦落ち着いて話を聞け』
リドル『キミもボクが間違ってるって言いたいの?ずっと厳しいルールを守って頑張ってきたのに!いっぱいいっぱい我慢したのに!ボクは..ボクは...信じないぞ!!!ボクは..ボクこそが!!絶対、絶対に正しいんだーーー!!!』
トレイ『リドルーーー!!!』