第86章 *救出プロセス*
異形の戦士『ギャギャギャッ!ウーマタッ!』
異形の戦士『ギギーーッ!』
セベク『な、なんだこいつらは!?』
グリム『ふぎゃっ!?ぐるぐる巻きにされる〜!!』
異形の集団がグリムをロープのようなもので捕縛しようとし始める。何かに怒っているのか、異形の集団は訳の分からない言語で叫びながらレイラたちへと手を伸ばす
セベク『て.."鉄の者"だと?僕たちはそんな者ではない!』
『!雷さん、なに言ってるか分かるの?』
異形の戦士『キシャーー!!ガルルル!』
セベク『嘘ではない!僕たちは学生で ..っ!』
セベクの言葉も聞かずに異形の集団はこちらへと襲いかかる
その時、バタバタバタと大量のコウモリが異形の集団とレイラたちの間を隔てるように通り過ぎていった
『『『うわっ!/なんだ!/なにっ!』』』
異形の戦士『ギャォゥ!/キキーッ!』
?『ーー何を騒いでいる、貴様ら』
異形の戦士『グァッ!ギャギャッ..』
シルバー『..!?』
?『ふん..愚か者どもが。こいつらの纏う気の流れを見ろ。夜の眷属に祝福を授けられている。"鉄の者"ではないだろう』
異形の集団の後ろから現れたその人物は、誰よりも異様な雰囲気をまとっていた。大柄で長身な周りと比べて、背も自分たちと近く体も細く、何よりこちらの言語を口にしていた
仮面とフードの間から垂れる長い黒と赤の髪を靡かせながら、その人物はレイラたちをちらりと一瞥した
シルバー『..祝、福?あなたは一体..』
?『..だが、怪しいことには変わりはない』
冷たい言葉で腕を振り上げると、鈍い赤の閃光を纏った斬撃が真横を掠めていった
その手に持っていたのは、銀の茨が巻き付いた緑色の石器。細身にも関わらず明らかに重そうな鈍器を軽々振り回す姿に圧倒される
その鈍器に見覚えがあったのかセベクは驚きに目を丸くして上半身を乗り出した
セベク『そ、その魔石器は..!?』
すると再び斬撃が目の前を通り過ぎ、小柄な異形の人物は地を這うような低音で"黙れ"と言い放った
異形の戦士『余計なことは一切喋るな。お前たちは何者だ?素直に吐け。この魔石器の曇りと消えたくないならな』