第86章 *救出プロセス*
セベク『ぐぅっ!なんなのだこいつらは!ええい、僕に触れるな!』
グリム『ふなぁあ〜〜!!べちょべちょに飲み込まれちまう!』
ユウ『このままじゃ、みんな"闇"に飲み込まれる..』
シルバー『囲まれた!お前たち、俺の手に捕まれ!』
セベク『ぐぬぬ..誰が貴様の手など!!!』
シルバー『意地を張っている場合か!早く!』
差し出された手を渋々取る。もう片方の手は一番近くにいたレイラがとり、その手をユウ・グリムがとった
『ぅぅ..怖い、怖い..助けて..ゃ..』
迫りくる黒い海に震えながらシルバーに体を寄せる。そんなレイラと繋いだ手に力を込め、シルバーは力強く言い放つ
シルバー『お前は必ず守る!絶対に..!』
マレウス『さあ..再び眠れ。今度はもっと深く..暗い場所で。くくく..ははははっ!!』
その言葉と共にブワァァと目の前が海と茨に覆われていく
シルバー『(暗い、寒い、悲しい..このままでは全てが"闇"に飲み込まれてしまう)』
その時、突然胸元からふわりとした柔らかく強い光が灯り始めた
シルバー『(光だ..このオーロラ色の光は..)』
それは以前、リリアから受け取ったオーロラ色の宝石を嵌め込んだ王冠の形の指輪から溢れ、シルバーはそれに願いを込めて詠唱を紡いでいく
シルバー『(親父殿..どうか、俺に力を!)
「いつか会った人に、いずれ会う人に..」
"ミート・イン・ア・ドリーム"(同じ夢を見よう)』
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セベク『..ん..ここ、は..?』
いつの間にか気を失っていたようで、ゆっくりと目が開けるとそこは全く知らない森の中だった
夜なのだろうか辺りは暗く静まり返り、虫や夜鳥、草むらの動く音が微かに聞こえてくる
ユウ『森の中..?ってそれよりレイラは!?』
繋いでいたはずの温もりがなく、慌てて周囲を見渡すと、シルバーに守られるように腕に抱かれて倒れていた
ユウ『ああああ!!なに抱きしめてんですかこの野郎!!!(良かった、無事だったんだね)』
グリム『ぅぅ、うるせーよユウ。てかまた逆なんだゾ..
ふなぁ..ドロドロのぐちゃぐちゃからは逃げられたのか?』