第86章 *救出プロセス*
シルバー『マ、マレウス様..親父殿..』
マレウス『おや、そこにいるのはユウではないか。お前も僕たちを激励に来てくれたのだな』
シルバーのあとから現れたユウとグリムの姿に目を細めて嬉しそうに微笑む
『ユウ、グリム』
ユウ『っ、レイラ!良かった、ここにいたんだね』
『ん?私、ユウたちにディアソムニアに行くこと言った、よね?』
ユウ『そ、それは..』
マレウス『ユウ。食べ物も、飲み物も、いくらでもある。心ゆくまで楽しんでいくといい』
ユウ『!あ、ありがとう..(ていうか、送別会じゃなくて、激励会?やっぱり、ここは夢の中ってこと?)』
グリム『あれ?リリアは魔法が使えなくなったから、学園を中退するはずだろ?』
マレウス『魔法が使えなくなった?学園を中退?..リリアが?』
リリア『一体何のことじゃ?他の誰かと勘違いしておらんか』
グリムの疑問に二人は目を丸くして首を傾げる。その返答にシルバーは勿論ユウの中にも、ここは間違いなく夢の中だという確信が芽生えた
一方、そんなグリムの問いに肩をプルプル震わせながら、セベクは怒りの声を上げた
セベク『こ..この魔獣!何を縁起でもないことを!!!リリア様に限って、そんなことがあるわけないだろう!!!』
グリム『うるせーっ!レイラもいるんだから耳元で大声出すんじゃねえんだゾ!あ、でもそっか。ここは夢の世界だから..』
『ぁぅぅ..』
リリア『おーおー可哀想に。相変わらずうるさくしてすまんな』
マレウス『ここが夢の中だと?ははっ、面白いことを言う。お前たちも寝ぼけているようだな。シルバーの昼寝に付き合ったのか?
僕たち3年は進級したら学外研修に行くことが決まっている。僕は赤龍の国の移籍調査に、リリアは英雄の国にある魔導補装具の企業へ行くそうだ』
シルバー『魔導補装具って..医療福祉に使われる、あの?』
リリア『おう、そうじゃ。茨の谷は機械文明を忌み嫌うものも多いが..技術を持ち帰れば、役に立つことも多いだろう』
セベク『さすがはリリア様。茨の谷の未来と発展を見据えておられる』
シルバー『親..リリア先輩。茨の谷に..あの森の家に、戻るんですか?』