第86章 *救出プロセス*
ヴィル『あらやだもうこんな時間。悪いけどあたしはそろそろ行くわ。今日は夕方には帰れそうだから、大人しく待っててちょうだい』
『..んっ..行って、らっしゃい』
一足先に朝食を済ませ、最後の身だしなみを確認していたヴィルは椅子から立ち上がると、早足で近づきぼぉっと見上げるレイラを抱きしめ軽く口づけると、行ってきますと言って、部屋の奥に並べられた大きな7枚の姿見の内の1枚に手を翳す
すると中から光が溢れだし、それを確認するとヴィルは足を踏み入れて姿見の中へと消えていった
エース『じゃ、オレらも行ってくるわ』
デュース『僕は少し遅くなりそうだが、必ず今日中には帰るからな』
トレイ『リドルも今日は遅くなるって言ってたな。俺とケイトは夕方に帰ってくるから』
ケイト『レイラちゃん、寂しーだろうけどいい子で待っててね』
レオナ『あ〜..くそだりぃ。なんだってあの口うるさいジジイどもの相手してやらなきゃなんねーんだよ』
ラギー『オレたちの"この生活"を認めさせるためなんだから、頑張って行きましょーよ』
ジャック『最初に会議してこれで4回目..さっさとあいつらに認めさせてやりましょう』
レオナ『へいへい。レイラ、帰ったら速攻昼寝に付き合ってもらうからな。それまではあのムカつくトカゲ野郎といい子にしてろ』
『ん..行ってらっしゃい』
それぞれに挨拶を済ませ、姿見の奥へと消えていく彼らを見送ると、いつの間にか隣にはユウとマレウスが挟むように立っていた
『ね、他のみんなは?それに、なんでみんなここに?あの鏡って..』
ユウ『?他のみんなはレイラが目を覚ます前に既に出ていったよ。というか、あの姿見はそれぞれの仕事先とか行きたいところに出かけるための装置で、あれでみんな毎朝仕事行ってるって、レイラが一番良く知ってるじゃん』
『ぇ..』
マレウス『ふふ、今日のお前はいつになく呆けているな。まだ夢うつつというところか?
あの姿見を欲しがったのも、僕たちと共にいたいと願ったのも、他でもないお前自身ではないか』