第86章 *救出プロセス*
『ん..ぅぅ..?』
ユウ『おはよう、レイラ。昨日いっぱいみんなとゲームしてたからかな、ぐっすり眠ってたね』
微睡みの中ゆるゆると目を開けると、優しい笑みで隣に寝転ぶユウと視線が合わさった
髪を梳くように撫でられ心地よさに再び夢の中へと落ちかけるが、突然思い出したような目を開けてガバッと体を起こした
ユウ『わわっ!どうしたの』
『私..確かディアソムニアで、みんなと..えっと、ツノ太郎が..』
寝起きの頭で必死に思い出す。夜のディアソムニアで大勢が集まり、リリアの送別会に参加していたことは覚えていたものの、その先が靄がかかったように思い出せずにいた
混乱する脳内に片手で頭を押さえていると、不思議そうに見つめるユウにそっと抱きしめられた
ユウ『まだ寝ぼけてるのかな?可愛いね。さあ、今日は大切なお見送りの日だよ。先輩たちもみんなも待ってるから、お着替えしたら下に行こうね』
『ぇ..あの、ユウ。お見送りって、なに?それに..ここ、どこ?』
ユウ『??何言ってるの?先輩たちはこれから各自お仕事とか家のことがあるし、エース達だって大学とか仕事とかで今から出かけるんだよ。それにここは、"僕らの家"でしょ?』
『なに..それ..』
学園でもオンボロ寮でも他の寮でもない見慣れない家具に部屋、自然に囲まれた窓からの景色にも全く覚えはなく、ユウの言葉に何一つ理解ができずに目を泳がせていると、未だに寝ぼけているのだと苦笑いを浮かべるユウによって着替えを手伝われ、訳も分からないまま階段を降りて広いリビングへと向かった
そこには異様な光景が広がっていた
エース『おーっす寝坊助。お前が絶対明日オレらを見送るんだ〜って言ってたくせに、ギリギリで起きてくんのかよ』
デュース『まあ、昨日は遅くまで喋ったりゲームしていたからな』
ラギー『ほらほら、レイラちゃんもそこ座ってご飯食べて。今日はオレとアズールくんが作ったんすよ』
アズール『カロリーも栄養素も完璧な朝食に仕上げました。きっと、ご満足いだけると思いますよ』