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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第85章 *送別スタート!*







マレウス『下がれ、愚か者が』


足元からブワッと吹き出した緑の炎がリドルたちを阻む。あまりの勢いに全員が後退りした。そんな様子にリリアはさすがに見ていられなくなり、足を踏み出すと静止の言葉を叫ぶ


リリア『やめよ、マレウス!!これ以上はならぬ!!』


マレウスを止めようとペンを掲げ魔力を集中させるが、それは集約することはなく四散してしまった


リリア『くっ..この体はもう攻撃魔法一つ撃てぬというのか!』


マレウス『ああ、リリア..あんなに強かったお前が、何ていたわしい』


リリア『馬鹿者!お前は自分が何をしているか、分かっておるのか!?こんなことをして何になるっ!』


マレウス『お前を失わずに済む!』


リリア『っ!!』


見たこともないほど声を荒らげるマレウスに驚いて半歩下がると、そんなリリアを守るようにシルバーが前へと進み出た


シルバー『親父殿!下がってください。マレウス様は冷静さを失っておられる!』


セベク『わ、若様..どうか、どうかお心をお鎮めください!』


使える主の変わり様に流石のセベクも、怯えきった表情で声を震わせていた。その様子にキョトンとした顔でマレウスは首を傾げる


マレウス『なぜ怯える?素晴らしい未来が待っているというのに。さあ、その手をこちらへ。

ふ、ふふふ..ははは!!』


マレウスの周囲に溢れんばかりの魔力が集い、その手は糸車を模した杖へと流れ込んだ


『『っ!!』』


リリア『よせ..やめろっ!』


マレウス『"運命の糸車よ 災いの糸を紡げ 深淵の王たる我が授けよう"』


詠唱が紡がれ辺りに高濃度の魔力が充満していく。するとそれまで高みの見物といった様子で見ていた内側に潜むノアが、焦りと困惑に声を震わせ始めた


[あ、あ、ああ..まずイ、まずイ、これハ..これはだめダ]


『ノ、ア..?』


[逃げロ]


『え』


[逃げロ!今すぐそこから逃げロ!!]















マレウス『"祝福"(フェイ・オブ・マレフィセンス』













リリア『マレウスーーー!!!』














その時、黒いインクは心を染め上げ、橄欖の高尚の精神を汚し、蝕んでいった


その淀みは宝石を濁らせ、彼の姿を変えていく



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