第85章 *送別スタート!*
『ユウ』
ユウ『レイラ。だめでしょ、ベッドで休んでないと』
『でもユウ全然帰ってこないし..あれ、コウモリさん?』
リリア『おお!おはよう黒兎の末裔よ。今日も愛らしいのう。にしても、休んでおらんといかんとは、体調でも悪いのか?』
不思議そうに見つめるリリアに、ユウは最近レイラの体調が悪いということを話すと、途端にリリアの顔つきが険しいものへと変わった
リリア『それはいかんな。そんな時に訪ねてきて申し訳ないが、わしも時間がなくてな。手短に終わらせるつもりじゃから、少しだけわしと"お話"をしてくれんか?』
『お話?いいよ。それに体も大丈夫だから..こほっ』
ユウ『また咳出てるよ。ほら、談話室に行ってソファーに座ろうね。リリア先輩も、どうぞ中に』
リリア『すまんな』
オンボロ寮・談話室
ユウ『説明していただけますか?どうして中退なんて』
『??ユウ、なんのこと?"ちゅうたい"ってなぁに?』
ユウ『リリア先輩はこの学校を中退するんだよ。中退っていうのは、卒業を待たずに途中で学校を辞めるってこと』
『ぇ...』
リリア『更に言うと、中退したあとは茨の谷へと帰らずに、赤龍の国という所でひとり静かに過ごそうと思っておる』
『えと、え..それって』
リリア『その前に我がディアソムニア寮でお別れ会をしようと思ってな。その手紙はパーティーの招待状じゃ。マレウスやシルバー、セベクたちを置いていくのは心配ではあるがこれも仕方なきこと。それに、』
『ま、待って!ちょっと..待って..えと、コウモリさんは、この学校からいなくなっちゃうの?それって、いつ?すぐ、じゃないんでしょ?』
リリア『いや、そのお別れ会が終わったその日の夜には、ここを出ていくつもりじゃ』
『え』
余りの別れの速さに思考が止まりかける。告げられたことをゆっくりと反芻すると、じわじわとこみ上げるものがあり、深紅の瞳はありえないと言わんばかりに大きく揺れた
リリア『いきなりですまん。とはいえもう決めたことなんじゃ。なにせわしは700歳と老いた事で魔力が尽きかけておる。ユウのような例外を除けば、わしがここに在籍することはできん』
ユウ『...え?なな、ひゃく?』