第84章 *ディアソムニア寮編〜深淵の支配者〜悶々アウェイク*
ニヤニヤと悪い笑みで追加でドサドサと問題集が積み重ねていくと、途端にグリムの顔が渋くなっていく
グリム『げーーーっ!!いらねえんだぞ〜〜〜!』
デュース『サボったら首をはねられるぞ』
グリム『オレ様、ハーツラビュル寮生じゃねーし!』
エース『遠慮すんなって。ちなみにこっちにある3冊は、ジャックとエペルとオルトの分ね』
ユウ『うーわ。これ試験までに終わるの?めちゃくちゃあるじゃん。ね、レイラ』
『...ん?』
エース『またボーッとしてるし。ほんとに大丈夫か?』
『ん、大丈夫。えと、この問題集をやればいいの?』
エース『そ。やらなかったらウチの寮長からキツーい説教と首はねだから』
『ぁぅぅ..頑張る』
デュース『サマーホリデーの前の学年末試験は、進級がかかった重要な試験だ。今から真面目に勉強しておかないと、本当に留年するぞ』
『進級..』
グリム『..もし。もしユウが進級前に元の世界に帰っちまったら..オレ様、一人でこの学校に残れるのか?』
ふと溢れたグリムの一言で、先程までの明るい空気が少しだけ重くなった。不安そうに揺れる青く丸い目が床を見つめ、耳も若干ペタリと下がっていく
『『....』』
デュース『レイラもいるし、学園長もそこまで白状じゃないだろう、と言いたいところだが..』
エース『まあ大丈夫っしょ!とは、言い切れねえんだよなぁ、あの人』
グリム『それにユウがいなくなったら、オンボロ寮にはオレ様とレイラだけになっちまう。オレ様、ユウみたいにこいつを守ってやれるか、分からねぇ..』
『グリム..』
エース『あのさー。なんでそこで急に湿っぽくなるわけ?』
デュース『ユウが早く元の世界に帰れたらいいと思ってる。思ってるけど..そうなったらもう二度と、こんな風に一緒に勉強をすることもなくなるんだよな..』
ユウ『確かにそれは、すごく寂しいね』
エース『お前まで暗くなるなよ。ミッキーが手がかりになるかどうかだって、正直まだ眉唾もんじゃん』