第84章 *ディアソムニア寮編〜深淵の支配者〜悶々アウェイク*
〔No side〕
ー放課後ー
オンボロ寮・自分たちの部屋
『ユウ』
ユウ『なぁに?..わっ!』
ソファに座るユウの膝に跨がるように座ると、首に腕を回して抱きついた。突然のことに驚くも、その体が少し震えていることに気づいて優しく包み込んだ
ユウ『どうしたの?怖いことでもあった?』
『私..ユウのこともみんなのことも大好き』
ユウ『うん、分かってるよ。僕もレイラのこと大好き』
『ありがと。だからね..私、』
グリム『おいユウ!レイラでもいいんだゾ!ホットミルク作ってくれ』
空気を割くようにひょこっと顔を出したグリムの言葉で、レイラは出かかっていた言葉を飲み込むと、ユウの膝からもそもそと降りた
『ん、私作るよ。ミルクティーも飲みたい』
グリム『おう!』
ユウ『(聞きそびれちゃったな..)』
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その日の夜、予告どおりに泊まりに来たエースとデュースを迎え入れると、自分たちの部屋に空き部屋の布団を2式用意し、いよいよミッキーの調査が始まった
グリム『眠気覚ましの薬草でも用意したゾ』
デュース『ゴーストカメラもスマホのボイスメモも準備万端だ!』
『『さあいつでも来い、ミッキー!!』
エース『そう気合い入れて来るもんでもないでしょ。ユウたちがオンボロ寮で暮らし始めてから..ミッキーが現れたのって5.6回なんだろ?』
ユウ『あと、留守中にも現れたことがあったらしいよ』
グリム『確か文化祭の後と、嘆きの島から帰ってきた後に会えたんだよな』
デュース『だいたい月1〜2回ってところか』
エース『長期戦の可能性高いし、ゆるく行こうぜ。まずオレたちはこの学年末テストに向けた問題集解かないといけねぇ し』
そういって重そうに大きなカバンから取りだしテーブルにドンっと置いたのは分厚い何冊もの本の山だった
グリム『なんだぁ、その分厚い問題集?』
デュース『外泊許可をもらうために、オンボロ寮で勉強会をするとローズハート寮長に言ったんだ。そうしたら..』
エース『「いい心がけだね。これを持っていくといい。勉強会の後に採点してあげよう」..てさ。ちなみに、ユウとレイラとグリムの分もあるから』