第84章 *ディアソムニア寮編〜深淵の支配者〜悶々アウェイク*
デュース『言われてみれば、そうだな』
オルト『「現象を確実に再現するには、秩序だった切り分けが必要不可欠」って兄さんもよく言ってるし。みんなで交代でオンボロ寮に泊まって、徐々に交信の再現性を高めていくんだ。どう?』
エース『へぇ、ちょっと面白そうじゃん』
デュース『いいなそれ!僕たちでユウが元の世界に帰るための手がかり、掴んでやろうぜ!』
グリム『ふなっ!調査のふりしてバカンスばっかりしてる学園長より..オルトの方がよっぽど頼りになるんだぞ』
エペル『僕も協力するよ!..あっ、でもなんて言って寮長に外泊届を出そうかな』
もし、ほんとにあの鏡がユウの元の世界に繋がってたら..
帰る方法が見つかったら..
ユウは帰っちゃうのかな
きっと、ううん絶対に帰る方を選ぶよね
私は..その時にちゃんと笑顔でお別れできるのかな?もう二度と会えないかもしれないのに、なんて言ってお見送りすればいいのかな?
帰ることを素直に喜べるかな?
ダメ
無理だ
ユウがいなくなるのは無理。3年のみんなと会えなくなるのも無理。この先、リドルさんたち、エースたちとも会えなくなるのも
考えただけで怖い。私はみんなと離れるのが怖い
ずっと、ずっと一緒にいたい
すれ違うだけでもいい。毎日姿を見つけて、笑い合って一緒に過ごせればそれだけで嬉しい
なのに時間が過ぎれば過ぎるほどに、みんなと一緒にいられる時間は少なくなってく。来年には3年のみんなは卒業して、そのうち2年のみんなも卒業して、それから私達も卒業する
バラバラになっちゃう
やだ
やだ
やだ
頭の中で何かがヒビ割れていく音が聞こえる
ユウ『レイラ、大丈夫?朝から顔色悪いけど、辛かったら医務室に行く?』
『..ぇ?あ、ごめん。ぼーっとしてただけ。大丈夫、だよ』
エース『レイラ、オレら今日から交代でミッキーの調査するためにオンボロ寮泊まるんだけど、いい?』
『来てくれるの?』
デュース『嫌、だったか?』
『ううん。凄く嬉しい』
嬉しい
でも辛い