第83章 *閑話カームデイ12 〜クルーウェル・一部クロウリー〜*
愛らしい笑みで放たれた言葉に間の抜けた声が出る。パチパチと瞬きして恐る恐る口を開く
クルーウェル『言ってくれたって..お前は気づいていたのか?俺が、お前を好きだってことを』
『ん。いつも他の人より優しくしてくれるし、撫でたり抱きしめてくれたりするもん。それにキスだって"好き"な人にするキスだったから』
クルーウェル『気づいておいて、今の今まで分からないフリをしてたのか?』
『..先生から言ってほしかったもん。最後まで分からないフリしてたら、先生から伝えてくれるんじゃないかって待ってた』
クルーウェル『..はぁ〜〜〜』
何度目かわからないため息をついて、レイラの両頬に手を当てると、ムニュっと強く引っ張り上げた
クルーウェル『大人で遊ぶとは良い度胸だな。こっちはお前から気づいてほしくて必死にアピールしたり、この1週間ソワソワしっぱなしだったんだぞ』
『むぃぃぃぃ〜〜..ご、ごめにゃひゃい』
クルーウェル『まったく..こんなワルいレディに躾けた覚えはないぞ』
『ぁぅ..でも先生、お顔がさっきより明るくなった』
クルーウェル『..一安心したからな』
頬から手を離してそっと体を抱き寄せ額を合わせる。至近距離での互いの吐息が混じり合い、瞳に熱が灯り始める
『先生』
クルーウェル『なんだ?』
『ごめんね。この前他の人にもキスしたことあるって聞いて、私ヤキモチ焼いてた』
クルーウェル『そうか..(嫌われたわけではなかったか)』
『あ、あとね。この前テレビで見たんだけど..先生と生徒は"好き"になっちゃだめなんだって。理由はよく分かんなかったけど、イケナイことだって言ってた』
クルーウェル『....そう、だな』
『どうしてなの?"好き"って自由じゃないの?先生と生徒だからダメって..分かんない』
クルーウェル『お前は無知だな。今後のために教えておいてやる。
教師は本来生徒を預かる身であり、教える立場で、公平であるべきだ。だが"そういう関係"..分かりやすく言うとキスやそれ以上のことをして、それが周りに知られれば公平さはなくなる』
『その人だけを優先しちゃうから?』
クルーウェル『そうだ。そもそも、お前のような歳の子供とそういうことをするのは許されないことだからな』