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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第83章 *閑話カームデイ12 〜クルーウェル・一部クロウリー〜*





サム『宿題?』


クルーウェル『"何故俺がお前にキスをしたのか"だ。この前の事件で無茶した罰として1週間俺の元で過ごさせ、答えを見つけ出させる』


サム『その間に、キミはあの子にアタックし続けて答えへと導く..か。随分な遠回りだね、普通に"好き"と伝えれば良いじゃないか』


クルーウェル『それだと意味がない。相手から告げられれば確かにアイツは受け入れるだろう。だが、時間をかけて俺のことを意識させて、その上で俺の気持ちを自覚させる』


サム『目が獲物を狙う捕食者のようだよ。あの子もこんな男に好かれて大変だね』


空になったグラスの縁をなぞりながら、今頃夕食を美味しそうに頬張る哀れな兎に同情した


クルーウェル『だが、俺とアイツは教師と生徒。許されるものじゃない』


サム『諦めるのかい?』


クルーウェル『..教育者として、そうするべきだろうな』


サム『一人の男としては?』


クルーウェル『大切に扱って、ドロドロに甘やかして、他の子犬どもよりも俺からの愛が一番だと言わせてやる』


ギラギラとグレーの瞳が鈍い輝きを放ち、グラスを撫でる手つきが色を含む


サム『(諦める気なんてなさそうだ..)』


クルーウェル『喋りすぎたな、そろそろ帰るとするか』


カクテル代をカウンターに置いて席を立つと、"デイヴィス"と呼び止められる


サム『進展したら、また教えておくれよ』


クルーウェル『気が向いたらな。それに、どうせ言う前にお前は知っていそうだ』


サム『ふふ、オレの秘密の友達は何でもお見通しだからね。オレは教育者じゃない、だからデイヴィスの恋は応援させてもらうよ』


クルーウェル『ありがとう、サム』


カランとベルを鳴らしてドアが閉まり、去っていく背中を見届けると、サムは小さく笑みを浮かべながらグラスを片付け始める


サム『普段から懐いているあの子のことだから、デイヴィスを受け入れないことはないだろうけど..彼の愛はキミが思うより深く熱くとても重いものだよ』







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