第82章 *閑話カームデイ11 〜カリム〜*
ユウ『な、ん、で!僕らも後片付けの皿洗いをやらなきゃならんのですか!?』
ジャミル『普段より料理の数が多くて皿がいつも以上に増えたんだ。客人に後片付けをさせるのは申し訳ないと思ってるが、寮生は飾り付けの撤収と掃除で手一杯なんだ』
ユウ『くそぅ』
グリム『なんでオレ様まで。折角美味いメシ食って幸せ気分だったのによぉ』
なんだかんだブツブツ文句を言いながらも皿を洗う手は止めずに、仕事は割とちゃんとする二人に苦笑いしながら、ジャミルは片付けを進めていく
カリム『ジャミル〜、この大皿はどこにしまうんだ?』
ジャミル『それは右の棚の一番下だ。くれぐれも割るなよ』
カリム『大丈夫だって!ちゃんと慎重に運ぶから、っとと』
『大丈夫?』
持ち上げた瞬間、思っているよりも重量が腕にかかり軽くよろけそうになる。すると、小さな手が伸び支えるように皿を掴み、カリムはよろけずに済んだ
カリム『ありがとう、レイラ。悪いけど一緒に運んでくれるか?』
『勿論』
ユウ『良いんですか?』
ジャミル『あれぐらいどうってことないだろ。それに、俺の方がレイラの気持ちを分かってやれるからな。そういう点では俺が一枚上手だ』
ユウ『そうやって油断してるとあっという間に奪われますよ。さっき見ました?首にキスマークつけられてましたよ』
グリム『そういうオメーはいいのかよ?』
ユウ『ん?勿論僕も負けるつもりはないよ。でも夜になれば必ずあの子は僕の腕に帰ってくるんだからさ』
カリム『レイラ、ちょっと来てくれ』
こそりと囁き腕を引いてキッチンの影に連れ込むと、優しく抱きしめ顔を近づける
『?』
カリム『少し甘えていいか?オレ、お前ともう一回キスがしたい』
熱のこもる視線に逸らすこともできず、頬を染めて小さく頷いて自分から触れるだけのキスをした
カリム『!?..へへっ、先にされちまったか』
照れたように笑うと、今度はカリムの方から口づけて優しく食みあう
『んぅ..』
カリム『う〜!スゲー可愛い。なあ、この後少し残ってくれよ。まだ、お前といたい』
『んふふ、いいよ』
ジャミル『お前達、早く拭いて片付けろ』
以上です。ご期待に沿えましたかね?