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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第82章 *閑話カームデイ11 〜カリム〜*







スカラビア寮・談話室



ジャミル『それで、二人で呑気に星空鑑賞して帰ってきたってことか?まったく、俺達がどれだけ心配したか分かってるのか?寮内だったから良かったものの..』


帰ってくるなり待ち構えていたジャミルの説教を受け、二人は申し訳無さそうに俯くも、カリムの表情はどこか明るさを取り戻していた


ジャミル『聞いてるのか?』


カリム『おう!』


ジャミル『の割には元気だな、お前は』


カリム『..自分の気持ちをちゃんと認められたんだ。それと、今回のことで"お前に負けない"って強く思えた』


ジャミル『...』


出ていく前とは全くの別人のような顔つきに何かあったのだと察し、同時にレイラに対して自分と同じ想いを持っているということも気づき、スッと目を細めた


ジャミル『..俺は譲らないと前に言っただろ。だから、これからも今日みたいな邪魔だって何度もやってやる。お前だけじゃない、他の連中にもだ。そうして、俺はこの勝負に絶対に勝ってやる』


カリム『オレもお前に譲れないものができた。ジャミル、正々堂々と勝負だ!』


ジャミル『ふん』





ユウ『はぁ〜あ。勝負、勝負って..この子はゲームの景品なんかじゃないんですからね』


カリム『えっ、そういう風に聞こえたか!?わ、悪い!そういうつもりじゃ..』


ジャミル『カリム、焦ると寧ろそういう風に見えるから落ち着け。勘違いするなよ、俺はレイラを物みたいに扱ったことなんて一度もないからな』


ユウ『ふ〜ん、そうですか』


明らかな疑いの目で二人を睨んでいると、クイクイと服の裾を引っ張られる


『ユウ、怒ってる?』


ユウ『ううん、怒ってないよ。ちょっと注意しただけ。それよりも、ケガとかしてない?』


『ん。お星さま見て楽しかった。あとね、このお花、またもらったの』


頭上の耳の周りに緩く巻かれた茎、そして耳の端に静かに咲く可憐な白い花が小さく揺れていた。初めてスカラビアに訪れ夜の空中散歩を楽しんだ際にも、カリムから贈られた自由の花


嬉しそうに花を触る姿にモヤッとした感情がせり上がるが、表情には出さずに花をつけているとは反対側の頭を撫でる


ユウ『良かったね。寮に戻ったら花瓶に飾る?』


『ん!』



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